「学校公演」はサケの養殖をしているようなもの 落語家・桂宮治
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(1月4日放送)に落語家の桂宮治が出演。落語の素晴らしさについて語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。1月1日(月)~1月5日(金)のゲストは落語家の桂宮治。3日目は、子どもと落語について― 黒木)桂さんはお子さんが3人いらっしゃいますが、お子さんに落語を聞かせることはあるのですか? 桂)学生に落語を聞いてもらうのが好きなので、小学校から高校まで、全国各地に1人で行くのですが、うちの子どもたちには意外と聞かせたことはないですね。真打昇進披露興行でも、40日間のうち、うちの家族は1日も来ていないのです。 黒木)ええ!? 桂)パパはパパ、仕事の桂宮治は桂宮治という感じです。1回だけ子どもを寄席に連れてきたことがあるのですよ。いちばん後ろの席に座って、他の子どもたちはすごく笑ってくれるのですが、うちの子どもたちは始まって10~15分ぐらいでロビーに出ていってしまいました。理由を聞いたら「家に居るパパと一緒だ」と言われてしまって、「これはもう呼ばなくていいな」と思いました。いつも家でキャッキャしているパパが、座布団に座って何かを喋っているから、珍しくないと。 黒木)照れくさいのですかね? 桂)そうかも知れません。だから、いろいろな学校に行きますが、うちの子どもの通っている小学校だけはやめようと思っていたのです。パパがそんなことをやって、お友だちにいじられたりするのも嫌だなと思って。でも、数年前にどうしても行かなければならない理由があって、1度だけうちの子どもたちが通う学校で学校公演をやったのですが、帰ってきたら長女も次女もすごくご機嫌でした。みんなに「パパすごく面白いね、楽しいね」と言って貰えたようです。誇らしげに帰ってきてくれたので、「行ってよかったのだ」と思ったことをいまでも覚えています。