【漫画家に聞く】天然女子と乙女系男子の初デートが可愛すぎる……Xで公開『無自覚ちゃんとオトメな男』に反響
天然な行動でドキッとさせる女性にドギマギする乙女な男性の恋を描いた漫画『無自覚ちゃんとオトメな男』。本作のエピソードを切り抜いた『片想い相手との初デートで浮かれ過ぎた』がXで人気だ。 天然女子と乙女系男子の初デートが可愛すぎる……漫画『無自覚ちゃんとオトメな男』 初デートの初々しさに読み手も思わずドキっとしてしまう本作を描いたのは楽日さん(@RABdesu)。現在『竜王様の溺愛花嫁』のコミカライズも担当する作家でもあるが、その創作の裏側に迫りたい。(小池直也) ――約7.2万のいいねが付いていますが、反響などはいかがですか? 何が読者に刺さったと思いますか? 楽日:本当にありがたいです。それだけ「初デート」は旨味のあるテーマだったのかもしれません。 ――本作を描く際に意識されたことは? 楽日:初デートでしか得られない「いつも以上に浮かれてる凛(太郎)ちゃん」をいかに可愛く描くかは意識していました。 ――個人的には服や髪型も素敵だと思いました。こちらについては? 楽日:ファッションを考えるのは得意ではなく、色々な資料を参考にしています。その中でも「気合を入れたデート服」はかなり難しかったです。 ルナちゃんは即決まりましたが、特に凛ちゃん。男性のファッションは繊細で、ちょっとした派手さでチャラくなったり、現実的すぎると二次元キャラとして映えなかったり……。 最終的に編集さんがアパレル経験者に繋いでくれて、その方からアドバイスをいただきました。まだまだいろんな勉強が必要です。 ――『無自覚ちゃんとオトメな男』物語には自身の体験や取材などが反映されている? 楽日:強いて言えば描き初めの頃に凛ちゃんを知ろうと、カフェで短期バイトしました。その結果、お客さんとのんびりお喋りできるほど余裕のある仕事じゃない事がわかりました(笑)。 でもそこをリアルに描くと違う話になるので、凛ちゃんみたいな状況のカフェってどの地域のどの時間帯だとありえそうか、ピーク時にはバイトを雇うかなど編集さんと話し合ったんです。でも裏設定すぎて特に本編に影響してないですね……。結局あの体験はなんだったのか……(笑)。 ――楽日さんは『竜王様の溺愛花嫁』のコミカライズもされています。やはり創作作品とは描き方が変わったりしますか? 楽日:最初は「もう話は作られてるから絵をつけるだけ」と考えていましたが、小説と漫画では理想的な話のテンポや構成も異なると気付いたんです。だから漫画としてストレスなく読めるように展開を入れ替えたり削ったりする必要がありました。 そのために一旦、小説を元に「漫画的な小説」、いわゆるプロットを書いて作画に進めています。それで作画担当のくせに1日中文章を打って絵を描いてない日があったりも……。 自創作でもプロットは打ちますが、最初から漫画前提で考えるのと違って「漫画的な構成にチューニングする」ことがコミカライズならではです。 ――原作・石丸めるさんとのやりとりもあります? 楽日:実は石丸先生と直接お話した事はなく、最近Xでリプを交わしたのが初会話でした。ですが編集部を通して意見や案をやりとりするだけでも優しい方だと伝わります。 私が話をチューニング(改変)することで、不快にさせないかヒヤヒヤするのですが、怒らないしちゃんとわかったうえで許可を出してくれるんです。そういう理解ある原作者と仕事ができることに感謝しています。 ――憧れ、影響を受けた作品や作家はいますか? 楽日:いっぱいあります……1つだけあげるとしたら小山宙哉先生の『宇宙兄弟』です。私が精神的にどんよりしていた時期に、日々を明るく前向きにしてくれた作品です。そんな眩しい魅力に圧倒されました。 私も作品で人を元気にできたらカッコいいなと憧れも得て、暗い漫画ばかり描いていた昔に比べ、明るく元気な創作が増えた気がします。 なので、「疲れが癒された」「日々を頑張る糧になってる」など言われると本当に嬉しいです。あの頃、私が宇宙兄弟に向けていた気持ちのようで……。ジャンルもレベルも違いますが、少しずつ私なりに憧れに近づいた気になります。 ――作家としての展望、なりたい作家像を教えてください。 楽日:自分自身が楽しく描きつつ、読者にも楽しんでもらえる作家になりたいです。精進します。
小池直也