巨人の底力!丸が十回栗林撃ちサヨナラ弾 首位・広島撃破し接近3・5差
(セ・リーグ、巨人3x-2広島=延長十回、10回戦、4勝4敗2分、28日、東京D)巨人・丸佳浩外野手(35)が28日、広島10回戦(東京ドーム)の延長十回に右翼席へ5号ソロを放った。自身2本目のサヨナラ本塁打で、3-2での勝利に貢献した。5打数4安打で、リーグトップの打率・310に浮上。今季は1番打者として打線を引っ張る男の活躍で、チームは4位ながら、首位・広島とのゲーム差を3・5に縮めた。 【写真】巨人・坂本がスマホケースに貼っている「笑うアベ」ステッカー。阿部監督が七福神の姿で描かれている 低めのボールを豪快に振り抜き、右拳を固く握った。一塁へ歩き出した丸の自信に満ちあふれた表情が、今季の復活ぶりを物語っていた。 「(カウントが)2ボールだったので、四球は嫌かなと。ストライクゾーンに投げ込んでくるかなと思って強くいきました。本当に完璧でした」 1点リードの九回に守護神バルドナードの暴投で追いつかれ、エース戸郷の白星が消える嫌な流れで2試合連続の延長戦へ。それでも好調の背番号8には関係なかった。広島の栗林を沈める一発はこの日4安打目。打率・310はサンタナ(ヤクルト)を抜いてリーグトップとなった。 この日はNetflixのアニメ映画「Ultraman:Rising」とのコラボ開催。アニメやゲームなど〝サブカル系〟に詳しい35歳は、ウルトラマンとの思い出を聞かれると、「あるんですよ」とニヤリ。ウルトラセブンがお気に入りと紹介し、「ウルトラホーク1号という戦闘機がアルファ号、ガンマ号、ベータ号と(機体が)分かれるんですよ。それを小学校低学年の頃に割り箸とはさみで作った」と報道陣に熱弁。軽妙なトークも絶好調だった。 2019年に広島からFAで入団したベテランの衰えを指摘する声もあったが、4月末から1番に定着し、出塁率は・396。打率・244、18本塁打に終わった昨季からV字回復を果たした。 阿部監督は「われを失って(ベンチを)飛び出してしまいました。きょうはうれしさに少しだけ浸って、帰ったらすぐ切り替えたい」と笑顔を浮かべた。坂本が不調で2軍に降格し、チームは正念場。丸は「絶対に必要な選手。帰ってくるまで、僕やチョーさん(長野)とかベテランが支えられたら」と責任感をにじませた。チームは貯金1で、リーグ4位ながら広島を3・5ゲーム差で追う。〝ウルトラマル〟を先頭に、阿部巨人のライジングが始まる。(谷川直之) ★阿部監督〝カーン〟違い!?
劇的なサヨナラ勝利に、阿部監督の舌は滑らかだった。1点リードの九回2死三塁、守護神バルドナードの左打者、田中の外角低めに大きく外れた暴投で同点に追いつかれた場面について「バルドナードは魔が差したな。多分(捕手が)キラー・カーンでも捕れなかったんじゃないかな」と語った。しかし、取材後に「オリバー・カーンだったな」と、元ドイツ代表の名GKにかけての発言だったと訂正。プロレスラーと混同し、報道陣の笑いを誘った。