ポルトガルの鬼才ペドロ・コスタ 異形の短編「火の娘たち」3月23日公開 「ヴィタリナ」も再上映
昨年の第76回カンヌ国際映画祭で特別招待作品として上映された、ポルトガルの鬼才ペドロ・コスタ監督の最新短編「火の娘たち」(23)が前作「ヴィタリナ」(19)と合わせて2024年3月23日から1週間限定でユーロスペースで劇場公開される。 「火の娘たち」は、3つに分割された画面に一人ずつ異なる女性が映し出される、チェーホフの「三人姉妹」から着想を得た物語。火山のマグマが迫る各々の場所で彼女たちは孤独や苦難、仕事の苦労、そして不屈の精神について歌う。美しいながらも煉獄のようなその場所で、まるで賛美歌のような幽玄な音楽が奏でられる、異形のミュージカル映画。 第72回ロカルノ国際映画祭金豹賞&女優賞をダブル受賞した「ヴィタリナ」は、カーボ・ヴェルデからリスボンにやってきたひとりの女性の姿を描き、ヴィタリナ・ヴァレラが自身の名前と同じ主人公を演じた。出稼ぎに行った夫がいつか自分を呼び寄せてくれると信じて待ち続けていた女性の物語。実は夫は死去し、すでに埋葬されていた。彼女は亡き夫の痕跡を探すかのように、移民たちが暮らす街にある、夫が住んだ部屋に留まる決意し。その部屋の暗がりで自らの波乱に満ちた人生を語り始める。 「ヴィタリナ」Blu-ray&DVDは3月29日発売。記録映像ーペドロ・コスタ「COMPANHIA(寄り添う)」展を特典として収録している。