ロシア、大規模ドローン攻撃を増強 ウクライナの防空圧倒する狙い
キーウ(CNN) ロシア軍は現在、ほとんど恒常的と言っていい長距離ドローン(無人機)の波状攻撃をウクライナ各都市に仕掛けつつ、地上部隊による東部への侵攻を遂行している。ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア側の撃ち込むドローンの数が昨秋のおよそ10倍に上っていると警鐘を鳴らす。 【映像】北朝鮮兵の合流に不平漏らすロシア兵、ウクライナ軍が通信傍受 爆撃の劇的な増加に加え、ロシア軍は弾頭を装着しない囮(おとり)のドローンの発射も既に開始した。ウクライナの防空システムを圧倒する狙いがある。ウクライナ空軍のイーナット報道官がCNNに明らかにした。 現在ウクライナに撃ち込まれるロシア軍の全ドローンの半数をこれらの囮ドローンが占めるという。 一方で、ウクライナ軍は東部の前線でも激しい圧力を受けている。陸軍のトップはロシア軍について、開戦以降最も強力な部類の攻勢をかけているとの認識を示す。 首都キーウなど国内各地の住民は、連夜の爆発音及びドローンの発する機械音によって眠ることが出来ずにいる。キーウで空襲警報が鳴り響いた時間は9月で50時間前後、10月で80時間に上った。11月は第1週だけで既に30時間を超えている。 9月1日以降、キーウがドローン攻撃に見舞われなかったのは一晩のみ。 今月7日にかけての夜にも攻撃があり、キーウでは落下したドローンの破片で少なくとも2人が負傷、複数の建物が損傷した。同市のポプコ軍事行政長官が明らかにした。異なる方角、高度からの大規模な波状攻撃だったとしている。 この数時間後には南部ザポリージャ州も空爆に見舞われ少なくとも4人が死亡、18人が負傷した。地元当局者が明らかにした。 ゼレンスキー氏は、イラン製ドローンによるロシア軍の攻撃が月を追うごとに増強されているとの見方を示す。 ロシアが空爆を強化する中、ウクライナは米国が支援から撤退する事態に備えている。米大統領選を制したトランプ前大統領は選挙期間中、一貫して米国によるウクライナ支援に強い疑問を呈してきた。ロシアによる侵攻以降、ウクライナは当該の戦争を2年半以上戦っている。