中井貴一“テレビドラマ離れ”の風潮に抗いたい「何とかして“絶対に面白いんです!”って言わせたい」
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、俳優・中井貴一さんと、とんねるず・木梨憲武さん。中井さんが今やり遂げたい“野望”とは?
◆中井「宝箱みたいだった」
木梨:中井さんはさ、今も舞台にドラマに映画にと、途切れなくずっと出ているじゃん? 中井:基本的に僕たちの仕事って“受け身”じゃない? 要するに自分から「ドラマを作ります」っていうことってないでしょ? だから、今ドラマ「ザ・トラベルナース」(テレビ朝日系)をやっているんだけど、20代のときは60代になっても連ドラをやっているなんて思わなかった。 木梨:(笑)。 中井:“連ドラは20代の人のものだ”って、自分が(20代の頃に)やっているときもそう思っていたから、60代になってもやらせてもらえるっていうのが、自分のなかですごく不思議。 木梨:“すごく不思議”っていうか、そういう人は普通いなんだから。連ドラをやっている63歳は。 中井:それこそ、僕たち1960年代生まれって“テレビ”っていうものが出てきた頃じゃない? 木梨:面白かったね! いろんなものがあって、選べたし。 中井:そう。白黒から始まって(まるでテレビが)宝箱みたいだった。だから、最近“テレビドラマがダメだ”って言われるけど、そう聞くと“絶対に面白いものが作れるはずだ!”って思っちゃうんだよ。 木梨:まあね。 中井:だから、絶対に“テレビドラマは面白い!”って思ってもらえるようになってから死にたい、って思うのよね。 木梨:でも、今は配信(コンテンツ)のようにいろんなチャンネルが出てきて、そこにもドラマやバラエティがあるじゃない? 中井:あるある。 木梨:だから“絶対にテレビ局の連ドラをやるんだ”ってこだわっているわけではないでしょ?“(テレビドラマじゃなくても)こんなにいい作品だったらやってみよう”みたいな。 中井:もちろん。だけど僕は、基本的にあまのじゃくだから「ダメだ」っていうものをやりたくなるの。例えば、時代劇をあまりお客さんが見なくなっていくっていうときに、“絶対に時代劇をやってやろう”って思うタイプなのよ。 木梨:いいねぇ! その感じがいいんだよなぁ。 中井:もちろん、配信で面白いものがあればやらせていただきたいけど、みんなが口をそろえて「テレビドラマがダメだ」って言うからこそ、それを何とかして「絶対に面白いんです!」って言わせたいのは、性格的なものだと思うんだ。 木梨:今の年齢でもやりたいことがあって、“絶対にやってやる”って太い芯があることが素晴らしいよ。 (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」放送より)