新国立劇場2024/2025シーズン舞踊ラインアップ。吉田都芸術監督の新たな挑戦とは。
新国立劇場が2024/2025シーズン、バレエ&ダンスのラインアップを発表した。2月28日に実施した説明会では、吉田都舞踊芸術監督が各演目への思いを述べ、同時に2025年7月に実施するロンドン公演についても意気込みを語った。4つの新制作を含む9演目に取り組む来シーズン、芸術監督として5年目を迎える吉田は「With a Sense of Adventure」をテーマに掲げ、「冒険心を持って」突き進むシーズンとし、新たな挑戦にも一歩踏み出す。 【全ての写真】新国立劇場2024/2025シーズンラインアップ 吉田が冒頭で触れたのは、昨年実現した劇場内の新スタジオのオープンや、東京医科大学と包括連携協定による医療体制の充実化について。これまでグループで実施していたコンディショニングのセッションも、ダンサー一人ひとりのニーズに応じたパーソナル・コンディショニングに変えたという。芸術監督就任以来、ダンサーを取り巻く環境の改善に積極的に取り組んだ成果といえるが、吉田はよりよい環境づくりへとさらなる意欲を見せる。 続いて、吉田自身による各演目の紹介が行われた。 ■こどものためのバレエ劇場2024『人魚姫~ある少女の物語』 (新国立劇場バレエ団委嘱作品・世界初演 2024年7月27日~30日) 振付:貝川鐵夫 音楽:C.ドビュッシー、J.マスネほか 新国立劇場で22年間ダンサーとして活躍し、振付家育成プロジェクト「NBJ Choreographic Group」でいくつもの作品を発表してきた、貝川鐵夫による新作だ。同プロジェクトから誕生した全幕バレエはこれが初。こどもも大人も存分に楽しめるバレエをと、吉田も期待を寄せる。 ■『眠れる森の美女』 (2024年10月25日~11月4日) 振付:ウエイン・イーグリング(マリウス・プティパ原振付による) 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー 2014年に新国立劇場で新制作されたイーグリングによる古典全幕作品。「全12回公演になりますので、きっとデビュー・キャストが多くなると思います。私自身楽しみでもあります」と話す吉田。彼女の薫陶を受けたフレッシュな才能の活躍が期待できそうだ。 ■「DANCE to the Future 2024」 (2024年10月25日~11月4日) 「DANCE to the Future 2024」Choreographic Group作品集 「NBJ Choreographic Group」で生まれた選りすぐりの作品を上演するシリーズ。小㞍健太をアドヴァイザーに迎え、ダンサーたちが創作にのぞむ。「すでに2回ワークショップをしていただいて、いろいろな身体の使い方、動きに挑戦したり短い振付にアドヴァイスをもらったりと、勉強になります」(吉田)。 ■『くるみ割り人形』 (12月21日~2025年1月5日) 振付:ウエイン・イーグリング 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー クリスマスの風物詩として親しまれている作品だが、新国立劇場では近年、年末年始まで公演期間を延長し、ファンを掴んでいる。「次回は全18回公演とチャレンジングなのですが、今シーズンの年末年始は2万6千人を超える方々にお越しいただき、とても嬉しく思います。公演だけでなく、劇場自体を楽しんでいただきました。キャストについては、デビューもあるかもしれませんね」(吉田)