中村壱太郎「”身体健全”とたくさん言っていただいたのでこれで大丈夫」九役の早変わり&宙乗りを披露の新作歌舞伎
歌舞伎俳優の中村壱太郎(34)が2日、東京・八王子市の高尾山薬王院で立飛グループ創立100周年記念事業「立川立飛歌舞伎特別公演」の演目「玉藻前立飛錦栄(たまものまえたちひのにしきえ)」の成功祈願を行った。公演は立川ステージガーデンで11月21~24日に上演。 秋晴れの大本山高尾山薬王院で護摩祈願を終えた壱太郎は「薬王院でご祈願を受けることで、4日間の立飛歌舞伎がより特別という気持ちが増した」と晴れやかな表情を見せた。 同作は藤間勘十郎が脚本・演出の新作舞踊。薬王院を舞台に、釣り鐘建立に際する鐘供養に白拍子が現れることで始まる”九尾のキツネ”伝説の道成寺物。壱太郎は白拍子をはじめ船頭や夜鷹(よたか)など九役の早変わりと、宙乗りを披露する。 実際に使われていた釣り鐘を前に「今回はこちらの鐘とご縁をいただいて、古典名作から着眼を得て藤間勘十郎宗家が書いてくださる。薬王院版の道成寺。新しい踊りが誕生するこの土地に来させていただいて、高尾山にまつわるキツネの逸話への思いが、また強くなる気がいたします」。 九役の演じ分けについて「演じ分けると言うよりも早変わりで、扮装(ふんそう)するとその気持ちになっていく。自分でどうこうするよりも、形になることでそのものになれる」と明かし、宙乗りについても「きょうあれだけ(ご祈願で)”身体健全”と言っていただいたのこれで大丈夫、と言う気持ち。私はただ釣られている状態ですが、とにかく無事に4回宙乗りができるようお願い申し上げた」と語った。
中日スポーツ