タイガーは瞑想、トム・キムはボール遊び? スタートホールのティーインググラウンドでやるべきことは?【特派記者・辻村明志のオーガスタレポート⑧】
上田桃子や吉田優利、渋野日向子らを指導する辻村明志プロコーチは、ゴルフダイジェスト社のマスターズ特派記者として現地入りしている。初日・2日目と1番ティーの横に椅子を置き、選手たちを見てきた辻村。トップ選手たちは当たり前のようにやっている一方、アマチュアは意外とできていないことがあるという。それは集中力を上げること!
辻村 最も印象的だったのは、初日のタイガーです。ゆっくりとティーインググラウンドへ上がったタイガーはまったく素振りせず、集中力を高めているように見えました。そして打つ30秒くらい前になるとゆっくり目を閉じ、しばらく腹式呼吸をしたのち目を開き、グッと前を見据えました。おそらくここでスイッチを入れたのでしょう。ここからのタイガーの目は怖いほどで、ギャラリーたちも静まり返っていました。私も鳥肌が立ちましたよ。 GD タイガーの2日目の1打目が初日の日没サスペンデッドの影響で14番ホールだったため、1番ホールにいた我々はこの所作を見ることができませんでしたが、トム・キムが同じようなことをやっていましたね。 辻村 トム・キムは目をつぶり、深呼吸したのち、軟らかいボールのようなものを両手のひらに挟み、転がしていましたね。 GD 中国などでは、手のひらでボールを転がして集中力を上げる“健身球”というのを聞いたことがありますが、それと似たようなものですかね? 辻村 よくわかりませんが、目をつぶって2分ほどやっていました。やる前と比べ、明らかに集中力が上がっているように見えました。 GD ショットに入るまでの所作で、ほかに気になった人は? 辻村 昨日・今日ともに同じでしたが、トミー・フリートウッドも驚きました。名前をアナウンスされるまでまったく何もしない(笑)。終始にこやかでリラックスしているように見えましたが、意外とこのあたり強さの秘密なのかもしれません。 GD 何もしないことが強さの秘密? 辻村 はい。1番ティーに立ったときストレッチしたりビュンビュン振り回すアマチュアは多いですが、柔軟やスウィングチェックはその前に終わらせておくのが当然で、いざティーに入ったあとは、ゆっくり振って軌道を確かめる程度にとどめておき、集中を高める作業に時間を割いてほしいです。それはタイガーのような“瞑想”でも良いですし、トム・キムの真似をしても良い。フリートウッドみたいに同伴者と話し、リラックスするのも良いです。 === みんなのゴルフダイジェストでは「マスターズ特別サイト」でマスターズネタを公開中。関連記事の「みんゴル・マスターズ特別サイト」をチェック!
週刊GDツアー担当