【阪神】近本光司の逆転3号2ランで首位キープ アーチを描けば昨年8月から6連勝「子どもたちの前で打てて良かった」
◆JERA セ・リーグ 阪神5―4ヤクルト(27日・甲子園) 一発を打てば勝つ。1―2で迎えた5回1死二塁、阪神・近本光司外野手(29)は変化球が3つ続いた直後の150キロ直球を捉え「真っすぐしか狙っていなかった」と、してやった。逆転の3号2ランだ。自身がアーチを描けば昨年8月から6連勝中となった虎は、首位を堅守した。 近本は6日のヤクルト戦(神宮)以来の本塁打。甲子園に限れば昨年の同じ4月27日以来、ちょうど1年ぶりの一発だ。171センチ、69キロのヒーローは「そんな打ってないんですか(笑い)。1年に1本打てたらいいかな」とおどけたが、本心は違う。この日は毎年恒例の「ゴールデンウィークこどもまつり」開催日。大勢のキッズが観戦した。自身と同じ小柄な子どもたちへの思いは強く、本塁打の意義を問われて「大きいと思う。子どもたちの前で打てて良かった」と感慨深げだ。 岡田監督は計4失策で今季ワースト8失点の大敗を喫した前夜(26日)の試合後、野手ミーティングを行った。「打ち取られ方が悪いから対策を言った」と明かし、「典型的なんは近本のホームラン」と現状打破を絶賛した。前夜3失策の木浪に代わり先発した小幡も2安打1打点。「木浪もあんまり調子よくない。(小幡は)昨日もヒット打っとった」と起用理由を説明した。 殊勲の近本は、勝利投手の大竹とともにお立ち台で“子ども記者”の質問にも優しく回答した後「子どもたちにとっては、ホームランは結構記憶に残る」としみじみ。大型連休初日に生まれた「ちかもと」の一発。4万2588人の胸に、それぞれの形で刻まれた。(直川 響)
報知新聞社