創業地・小豆島を「ごまの島」へ 国内トップシェア「かどや製油」の166年目の恩返し
同社では、栄養価のより高い金ごまを島内で栽培し、ごまを活用した地域貢献に挑む。「少子高齢化や人口減が進めば創業の地で事業を続けていくことが難しくなる。島に雇用や産業を残すことが重要」と井尻常務。町と連携することで、集落営農をはじめとする農業やごま油製造業の維持、遊休地の有効活用、雇用創出、食育による次世代への継承などを目指す。
毎年、一定量の増産を進め、将来的に、ごまを小豆島ブランドに育てられる程度の収穫を目指し、国産金ごまを原料にしたごま油による新しいブランディングを視野に入れる。
岡野能之町長は「地域資源を生かした地域活性化が求められている。未来を築く取り組みにしたい」と決意を示す。町商工観光課の担当者も「世界的にもブランド力があり知名度が高いかどや製油との連携はありがたい。小豆島にごま油の工場があることを知らない子供もいる。収獲体験、工場見学といった食育の流れの中で健康や愛郷心などの意識を育んでいきたい」と期待している。(和田基宏)