細谷真大「結果」も前線に欲しい「OA枠」、久保建英や鈴木彩艶の「招集」は【パリ五輪出場サッカーU23日本代表の「大問題」】(3)
サッカーU-23日本代表が、8大会連続となるオリンピック出場を決めた。U-23アジアカップ準々決勝でイラクに勝利してパリ行きの切符を手にしたのだが、喜んでばかりはいられない。開幕まで3か月を切っている本大会をにらみつつ、サッカージャーナリスト後藤健生が、山積する問題をズバリ指摘する。 ■【画像】「ベルカンプかよ」細谷真大「絶妙トラップからの逆回転ルーレット弾」でイラク戦先制!
■メンバー選考に関する「さまざまな難しさ」
今後のスケジュールとしては、U-23日本代表は6月に海外遠征を行い、その後は本大会直前合宿に突入することになる。6月の海外遠征は最終的にチームを固めるための遠征であり、本大会に向けてのメンバー選考も、基本的には6月の遠征前にほぼ決めるのが望ましい。 メンバー選考に関しても、これまでのオリンピック以上にさまざまな難しさがあるだろう。 1つ目は、先ほど紹介したように準備期間が短いことだ。従って、今回アジアカップを戦ったメンバーが主体で、新戦力を発掘することは難しくなる。 2つ目は、海外クラブ所属選手が多いので、オリンピック出場に向けてクラブ側との交渉が大幅に増えること。本大会まで時間がない中で、短期間で交渉をまとめるのはかなり難しいだろう。 誰が招集可能なのかを確定するため、早急に交渉を進める必要がある。
■オリンピック世代の「A代表選手」の招集は?
難しさの3つ目は、すでにA代表に選出されているオリンピック世代の選手の扱いだ。 オリンピック世代最高のスター、久保建英は今や世界的に注目されている選手であり、A代表の主力でもある。また、オリンピック世代のGK鈴木彩艶も、最近はA代表でのファーストチョイスとなっている。 もちろん、彼らがチームに加わることで戦力はアップするし、久保自身もオリンピックに対して意欲を持っているとも伝えられている。経験の浅い鈴木にとっては、オリンピックでの戦いは貴重な経験となるだろう。 だが、今年は1月にアジアカップがあったことで、A代表の選手たちの負担が非常に大きくなっている。 アジアカップ終了後、ヨーロッパのクラブに戻った選手たちの多くが故障で欠場を余儀なくされたことは記憶に新しい。 しかも、最近は各国リーグで上位争いをするようなビッグクラブに所属する日本人選手も多く、当然、クラブでの試合数も多くなり、イングランドのプレミアリーグやUEFAチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグなど、ハイレベルの試合を数多くこなしてもいる。 彼らにこれ以上の負担を与えれば、多くの選手が負傷して出場機会を減らしてしまう怖れもある。従って、A代表の選手のオリンピック出場に関しては、A代表の森保一監督をはじめ、クラブ側、メディカルスタッフなどと連携して慎重な配慮に基づいて決めなければならないだろう。