ホワイトカラーの限界、「副業」から見えてくる労働の本質
エッセンシャルワーカーへの理解を深める
エピローグで若月さんは、副業体験が中高年男性にとって「未知との遭遇」になり、特に、介護、医療、教育、清掃、ドライバー、接客など、この社会のエッセンシャル・ワーカーの仕事の見直しにつながると指摘した。 「社会に必要だけど低賃金、そこにホワイトカラーのおじさんの目が向いた?」 「ええ。女性が多く関わってきた分野ですが、軽視されがち。でも“ありがとう”“お疲れさま”と感謝される仕事です。やりがい、はある。そして社会が回るには絶対必要な仕事です。AIの普及でサラリーマンのオフィスワークもこの先減るかもしれません。その時、エッセンシャル・ワークの分野が就職先として改めて見直されるかもしれませんよね」 おじさんが副業で、これまでとは違う世界を体験すると、「働くとは何か?」という根源的な問いが浮上してくるのであろう。
足立倫行