<転スラ>最後はやっぱり“会議”で締め? 「人魔共栄圏」の実現に一歩前進、立ちはだかるのは……
サラリーマン・三上悟がスライムのリムル=テンペスト(CV:岡咲美保)として異世界に転生、さまざまな種族が共に暮らせる理想の国作りに奮闘する「転生したらスライムだった件」(毎週金曜夜11:00-11:30ほか、日本テレビ系ほか/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Lemino・TVerほかで配信)。2021年以来となるTVアニメシリーズ第3期では、「魔王達の宴(ワルプルギス)」を経て正式に魔王となったリムルの元へ、魔物を敵視する神聖法皇国ルベリオスの聖騎士団長・ヒナタ(CV:沼倉愛美)が訪れる「聖魔対立編」が描かれ、2クール目からは開国祭に向けての「魔都開国編」が描かれている。最終話となった第72話(第3期24話目)「祭の後」は、開国祭を終えたあとの意見交換会の様子が描かれた。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】リムルの“瞳”に注目… 劇場版第2弾&TVアニメ第4期制作発表イラストが解禁 ■新登場のミューゼ、見事なヤラレ役で完敗 「開国祭」も無事に終わり、残るは商人たちへの支払い問題のみ。事前の予想通り、ミョルマイル(CV:青山穣)の元には大勢の商人たちが集まり、ドワーフ金貨での支払いを求める。さらに商人たちの取りまとめ役としてガストン王国の公爵・ミューゼ(CV:阿座上洋平)までが登場し、場は騒然とした雰囲気となる。そんななか、リムルは大量のドワーフ金貨を用意して部屋へと入り、支払い問題は一気に解決へと向かうのだった。金貨不足のテンペストに力を貸して恩を売るつもりだったミューゼの思惑はあっけなく外れ、そればかりか、その場に居合わせた記者たちの力により、失職の可能性が高まってしまうのだった。 ここではミューゼが初登場となるも、リムルによって完膚なきまでに打ちのめされる結果となった。ミューゼはロッゾ一族の関係者で、グランベル(CV:小野大輔)から「リムルに取り入れ」との命令を受けていたが、その命を果たせなかったばかりか、自分の立場さえ危うくなる手痛いカウンターを食らってしまった。最後はすがるような声で「お、お待ちください! リムル陛下~!!」と情けない姿を晒すも、その声はもちろん届かない。ディアブロ(CV:櫻井孝宏)が冷笑を浮かべながら扉を閉めるという、なんとも痛快なシーンとなっている。これにはSNSでも「完全にリムルの手のひらの上だ」「一瞬で散ったなww」などの声があがっていた。ちなみにリムルは大勢の記者たちの前で独自の巨大経済圏を作ることを宣言し、ちゃっかりとマスコミの力を借りてアピールするなど、抜け目のなさが光っている。 ■「人魔共栄圏」の実現に大きく前進! 商人への支払いを済ませたあとは、エルメシア(CV:金元寿子)やガゼル・ドワルゴ(CV:土師孝也)など、同盟国や友好国を交えての意見交換会が開かれる。ダンジョン探索の際に使用された映像投影技術をはじめ、テンペストの技術力の高さに興味津々な同盟国たち。リムルが考案中の魔導列車の話題となると、魔導王朝サリオンや武装国家ドワルゴンと技術協力をすることとなり、列車の開通がより現実的なものとなっていく。魔導列車による交通網のインパクトは抜群で、物流の革命はもちろんのこと、文化の萌芽や人と魔物の交流促進など、可能性は無限大。リムルが追い求めてきた人と魔物が共栄する世界、「人魔共栄圏」の実現に向け、また一歩近くのだった。続けての議題は「ダンジョン運営」の今後について。最深部の100階層でラスボスを務めるヴェルドラ=テンペスト(CV:前野智昭)は、ここまでたどり着けそうな挑戦者がいないことに不満をぶちまける。しかし、クリアしたら賞金を出すというアイデアや冒険者ギルドとの連携、西方聖教会の聖騎士たちによる挑戦などが決まっていくと、一気に期待が膨らみ、最後には高らかな笑い声をあげるのだった。 意見交換会では、その豪華な顔ぶれに注目。旧知の仲で同盟国でもある武装国家ドワルゴンのガゼルを筆頭に、魔導王朝サリオンのエルメシア、ファルメナス王国のヨウム(CV:細谷佳正)、ブルムンド王国のフューズ(CV:成田剣)、神聖法皇国ルベリオスのヒナタ、冒険者ギルドのユウキ(CV:花江夏樹)、勇者マサユキ(CV:松岡禎丞)、長鼻族(テング)のモミジ(CV:佳原萌枝)など、近隣諸国の君主や有名人が勢揃い。バックボーンの異なるさまざまな国や種族が、リムルの思い描く「人魔共栄圏」に協力しようとしている姿を見ると、ようやくここまで来たかと感慨深い。ド派手なアクションやコメディの効いた会議シーンも本作の見どころだが、こうして人と人が同じ目的を共有し、夢を描き、結びついて歩んでいく姿こそが、本作のいちばんの醍醐味なのかもしれない。この意見交換会は、まさにその集大成と言えるものだろう。 ■黒幕をユウキと推測したリムル 最後の話題は、最近怪しい動きをしている「東の商人」について。これには各国ともに、探りを入れつつ警戒を強化する方向で話がつき、これにて意見交換会は終了する。しかしその後、今度はテンペスト幹部のみが集まり、さらなる会議が行われる。この会議でリムルは、クレイマンの言っていた「あの方」の正体がユウキであり、「中庸道化連」や「東の商人」とも繋がっていることを推測。次なる戦いに備え、準備を着々と進めることを宣言するのだった。 ついに黒幕をユウキだと判断したリムル。状況的にほぼ確実だと思われるものの物証がなく、「俺の勘違いって可能性もないとは言えない」と呟くが、智慧之王(ラファエル)には「その可能性は極小」と否定されてしまう。おそらくリムルとしては、心のどこかでユウキであってほしくないという気持ちもあるのだろう。自分と同じく日本からやってきた異世界人であり、表面上とは言え、とても気さくで仲良く付き合ってもいる。きっと心中穏やかではないはずだが、それでもテンペストが掲げる「人魔共栄圏」を脅かす敵となれば容赦はしない。このシーンからは、そんなリムルの葛藤や覚悟を感じることができる。第3期では、ユウキや東の商人、ロッゾ一族など、これまでおぼろげだった敵の姿がだんだんとはっきりしてきたことが特徴で、物語がさらに加速していく予感を感じさせてくれる。SNSでも「まじ最高だった!」「リムルの国づくりがますます進化してる!」など絶賛の声があがっていた。さて、最終話放送後には、続編となるTVアニメ第4期、ならびに劇場版第2弾の制作も発表された。これからますます面白くなっていく『転スラ』の続報に注目しよう! ■文/岡本大介