「どんな人でも活躍できるディズニーのしくみ大全」 20年勤め人材教育を担った大住力氏が出版 収益で沖縄に拠点に難病の子を支援
東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドで社員教育に長く関わり、現在は沖縄県恩納村でホテルを経営する大住力氏(58)が、人材教育をテーマにした書籍「どんな人でも活躍できるディズニーのしくみ大全」を出版した。業務のマニュアル化で全社員が一定の業務をマスターした上で、個性や専門知識を生かして業務の高度化を図るなど50項目の「しくみ」で人材教育を説く。収益は大住氏が県内を拠点に取り組む難病の子どもやその家族の支援に充てられる。(政経部・銘苅一哲) 【写真】恩納村の宿泊施設「青と碧と白と沖縄」。開放感のある雰囲気だ 大住氏は1990年にオリエンタルランドに入社。退職するまでの約20年間で人材教育や東京ディズニーシー、イクスピアリなどのプロジェクト推進と運営、マネジメントに携わった。 2009年に退職し、10年に公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」を設立し、難病の子どもとミッキーマウスを対面させるなどの取り組みを進めた。活動の中で「沖縄に行ってみたい」という要望が多かったことから、恩納村にホテル「青と碧と白と沖縄」を開業した。 こうした社会貢献活動の費用を確保するため「ソコリキ教育研究所」として企業などを対象に人材育成を指導。10年以上活動する中、あさ出版から書籍化を提案された。 著書では「常にゴールを意識させる」「しくみで全員を機能させる」など「どんな人も活躍できるディズニーのしくみ10原則」を紹介。信頼関係の構築や質の高い仕事の方法など50の「しくみ」を紹介する。 それぞれの社員が得意な分野で専門性を発揮させるしくみは、白雪姫に登場する7人の小人を例に説明。ドク(先生、思考型)、グランピー(おこりんぼう、本能型)など小人の名前と性格別に分類し、社員がどのタイプに当てはまるかを考え仕事を任せるという。 大住氏は仕事のレベルを均一化した上で個人の特徴を生かすことが重要とし「ディズニーは『リーダーシップ』ではなく、リーダーについていく周囲の人が自主性を持つ『フォロワーシップ』を大切にしている」と説明。著書が多くの業種で活用されることを期待した。