ゴールドマンのチーム、人気のTSMC裁定取引に代わる方法を発見
(ブルームバーグ): ウォール街で人気があるが最近では痛みを伴う取引の一つとなっているのが、台湾積体電路製造(TSMC)の割安な台北上場株を買い、価格が収束することを期待して米国預託証券(ADR)を空売りする裁定取引だ。
ゴールドマン・サックス・グループが、コストゼロの代替策に光を当てた。
同行のトレーディングデスクが19日に発表したリポートによると、投資家はオプションを使って、現在20-25%で推移しているTSMCのADRのプレミアが縮小することに賭けることができる。ゴールドマンはADRのプットオプションを買い、台湾上場株のプットオプションを売ることを勧めている。
米国における人工知能(AI)ブームは、TSMCのADRの台湾上場株に対するプレミアムを2009年以来の水準に押し上げた。トレーダーは現在、プレミアムが長期平均に戻るのを待っている。
ゴールドマンのチームは「プット対プットの取引は、米ハイテク・AI銘柄が上昇するシナリオで最大損失をかなり抑えることができるため、当デスクはこの取引を好んでいる」と書いている。現物株での裁定取引の最大のリスクはADRが「AIの勢いに乗り続け、スプレッドがさらに拡大する」ことだという。
人気裁定取引が裏目に、AIブームでTSMCのADRプレミアム拡大
TSMCのADRに対するオプションの需要は、米国株が今年73%急騰して最高値を更新する中で高まっている。オプションの価格も上昇し、3カ月インプライドボラティリティーは2022年10月以来の高水準となった。同時に、プットの比率がコールと比較で約2年ぶりの高水準に達していることが、ブルームバーグの集計データから分かった。
原題:Goldman Team Finds Alternative to Crowded TSMC Arbitrage Trade(抜粋)
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Jeanny Yu