『傷物語』劇場アニメ、総集編はアフレコ再録&楽曲制作は「フランス現地で」スタッフ&キャストトークショーでこだわり語る
1月より全国の劇場にて公開中の〈物語シリーズ〉新作総集編アニメーション『傷物語 -こよみヴァンプ-』について、2月10日(土)に本作の公開御礼舞台挨拶が開催された。 【画像】トークショーに出演した石川さんと神谷さん(全5枚) 舞台挨拶には神谷浩史さん(阿良々木暦役)と、石川達也さん(アニプレックスプロデューサー)が登壇するトークイベントがユナイテッド・シネマ豊洲にて行われた。
アフレコも一部最終六、初見&リピート勢に見どころ伝授
この日、当初は尾石達也監督が登壇する予定だったものの急病にて欠席が前日に告知され、急遽アニプレックスの制作プロデューサー石川達也が出演することに。冒頭では欠席となった代わりに監督からメッセージが到着し、観客の皆さんには「阿良々木くんのラストシーンの微笑みが、観てくれた皆さんの心に、小さな傷となっていつまでも残り続ける‥そんなフィルムになっていたら幸いです」といったコメントや、神谷さんにも「これからも阿良々木暦を演じきってください」といったコメントが届けられた。 2016年の「Ⅰ鉄血篇」より、8年ぶりに総集編として劇場公開となった本作。改めてその経緯について「前作3部作目の終了後に、1本のヴァンパイアストーリーとしての再構成をしたいというアイデアが上がった」との裏話が石川さんから届けられたほか、3時間30分ほどの前3部作を、今回の2時間24分に短縮するにあたり、編集で声優による芝居部分もカットしてしまうことを考慮し、再度アフレコをするきっかけに至った話なども繰り広げられた。 また、石川さんからは神谷さんに対し、演技・作品の画作りでお気に入りのシーンとして、映画冒頭、地下鉄での阿良々木暦とキスショットの出会いのシーンをピックアップ。神谷さんからは、該当シーンでの阿良々木暦の感情の乗り方や声の表現の仕方等、原作のニュアンスを引き出しながら、試行錯誤しながらの演技をしたと当時を振り返っていた。 楽曲についても、エンディングテーマ「étoile et toi」を担当するアーティスト、クレモンティーヌの収録に、今回はスタッフがフランスに渡り、現地でのレコーディングに立ち会った制作秘話を石川さんが明かした。 そして、会場内では、初めてこの上映会で「傷物語」を視聴する方や、〈物語〉シリーズに初めて接する観客も見受けられ、神谷さんからは「〈物語〉シリーズの特徴として、原作を読んだ後の読後感とアニメの映像を見た後の感覚がリンクしている」と、シリーズ自体の魅力を伝える一幕も。 そしてトーク内では、発売直後に完売が続出した『「傷物語」劇場物販「SHAFT creator's works 01 尾石達也「傷物語」絵コンテ集』も話題に上がり、神谷さんも実物を手に取りながら、観客へ商品をPRしつつ、最後エンディングでのメッセージでは、石川さんからは「オープニング1カット目からエンドロール流れきるまで楽しんでほしい」と、神谷さんからも「『傷物語』はエピソード“0”にあたるもの。その後は『猫物語(黒)』を見てほしい。」「この作品が続く限り、阿良々木暦の声を皆さんに届けられたら」とメッセージが届けられ、公開御礼舞台挨拶は幕を閉じた。 『傷物語』は、西尾維新『化物語』の前日譚にして、〈物語〉シリーズの原点。アニメは原作小説「傷物語」を、「Ⅰ鉄血篇」、「Ⅱ熱血篇」、「Ⅲ冷血篇」の全三部作として、2016年に劇場映像化。8年の時を経て翌年、「Ⅰ鉄血篇」、「Ⅱ熱血篇」、「Ⅲ冷血篇」を新たに総集編として再構成し、『傷物語-こよみヴァンプ-』として公開中。