杉野遥亮、2024年のエンタメ界を席巻 『マウンテンドクター』『オクラ』など怒涛の1年に
反町隆史と杉野遥亮のW主演ドラマ『オクラ~迷宮入り事件捜査~』(フジテレビ系/以下『オクラ』)では、10年前の警察官連続殺人事件の犯人が明らかになり、クライマックスに向けて物語が加速している。 【写真】反町隆史×杉野遥亮の2ショット 杉野が演じる利己は、お蔵入り事件を捜査する“オクラ”に配属され、最初は戸惑いや反発も見せていたが、証拠を捏造してでも犯人を捕まえようとする千寿(反町隆史)なりの正義に共感するようになり、次第に明らかになった警察官連続殺人事件の真相を千寿と共に追い求めてきた。 杉野といえば、筆者は『僕の姉ちゃん』(テレビ東京系)や『ユニコーンに乗って』(TBS系)のような、初々しさが垣間見えるキャラクターを演じているイメージを持っていた。しかし現在は、杉野自身も30歳手前になったこともあってか、「社会に慣れて自分なりのやり方を確立したアラサー世代」を上手く体現しているように感じる。 『マウンテンドクター』(カンテレ・フジテレビ系)では、山で兄を亡くしたトラウマを持ちながらも、最前線で働く医師を目にしてから山岳医を志し、成功と失敗を繰り返して成長していく歩を演じた杉野。山岳診療科に配属された当初は戸惑うものの、自分の力不足と山岳医療の必要性を痛感するとすぐに国際山岳医の資格取得を目指す。検定に合格して復帰後は、予測不能な自然の驚異や患者たちの想いに向き合い、医師としての道を模索する。後先考えないただの“未熟者”にも見えるが、誰よりも患者のことを思い、しっかりと同僚たちにも敬意を払っている。新参者の成長への苦悩ではなく、一皮むけた先のさらなる成長に向けた、一段階上の悩みを抱えているように見えた。 また、テレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル『生きとし生けるもの』では、渡辺謙演じる余命宣告を受けた患者・成瀬翔を見守る研修医の吉岡役に。病院から薬を持ち出した先輩医師の佐倉(妻夫木聡)への不信感がぬぐえていなかったが、一時退院した成瀬の人生を巡る旅に途中参加することで、どんな思いで2人が旅をしているのか、死を目前にした人に何ができるかを理解していく。「この作品の現場を体感した自分と、作品の中で研修医の立場から沢山の大事な事を見てきた吉岡がリンクしたのではないか」と杉野自身がコメントしている通り(※)、日本を代表する俳優2人の間でも自然に溶け込んだ演技は、吉岡が作中で2人を見て前進していく姿にも重なり、これからより進化するであろう俳優・杉野遥亮への期待にもつながった。