リゾートバイト最新事情(後編)給与や正社員への道など…気になる待遇面は?
【「もうけびと」に聞く金儲けの秘訣】 鈴木将人さん(グッドマンサービス)=後編 観光地のホテルや旅館で、住み込みで働くリゾートバイト。都会の喧騒から離れたいと、近ごろはシニア世代からも注目を集めているそうだ。給与や正社員への道など気になる待遇面について、人材派遣会社グッドマンサービスのリゾート第1営業部長・鈴木将人さんに聞いた。 【写真】副業なら「ネット物販一択、月10万円稼げれば人生が変わる」3年で2億円稼いだ達人がコツ伝授 ◇ ◇ ◇ ■月収22万~40万円 職種によって給与に差 気になる給与は、月収ベースで22万円から40万円ほどが目安となる。この中には、食事や住居費が含まれているところがほとんどだ。 金額の差は職種や勤務地、経験などの差である。職種別に見ると、客室清掃が時給1100円から1200円程度とやや低め。一方、調理や仲居は高時給で、「調理の場合は時給1600円から1700円が相場」だという。 勤務地によっても待遇に開きがある。全国屈指の温泉地である箱根など関東圏のリゾート地は、客の数が多いので単価も高くなりがち。また、外国人観光客の利用が多いのが特徴だ。 「箱根や関東圏は、外国人のお客さまが多いので、英語や中国語などの語学力を持つ方が重宝されます。特にフロント業務では、語学力があると時給が100円から200円ほど上乗せされるケースが多いですね」 リゾート地は最盛期ともなると大変な繁忙期を迎える。それは裏を返せばチャンスでもある。 「ニセコのスキー場や沖縄のリゾートは、ハイシーズンになると人材の争奪戦になります。毎年顔なじみで来てくれる方は、受け入れ側も『この人なら』と太鼓判を押して優遇します。派遣のリーダー的なポジションをお願いすることもありますね」
人気観光地では人材の争奪戦
■シニアこそ活躍のチャンス 正社員登用の道も シニア世代がリゾートバイトで稼ぐコツは、自身の経験やスキルを存分に生かせる職種を選ぶこと。とりわけ、調理や仲居、フロント業務は経験者優遇の傾向が強い。 ただし、いきなり正社員としてリゾートの現場に採用されるのは難しいのが実情だ。 「まずは採用率の高い洗い場などから始めて、徐々に時給の高い調理場に移るなど、段階的にキャリアアップしていく人が多いですね。ある程度の経験と実績を積んだ上で、正社員への登用を目指すのがオススメです」 時代とともに、リゾートバイトで働く人の年齢層は確実に広がりを見せている。特に、シニアの活躍の場としての注目度は高まる一方だ。 「定年退職後、第二の人生をリゾートバイトで過ごすシニアの方が増えてきました。かつては体を動かす仕事がメインでしたが、今はフロントなど接客業でも活躍の場が広がっています」 働きながら観光地の魅力に触れられるのも、働く側としてはうれしいところだ。住み込みなので、その土地での暮らしもじっくり体験できる。シニアにはセカンドライフの場所探しにうってつけだ。 「リゾートバイトは、人生の選択肢を広げるチャンス。働き方が多様になるこれから、ますます脚光を浴びると思います」=おわり (取材・文=いからしひろき) ▽鈴木将人(すずき・まさと) 1987年、東京都生まれ。携帯電話の代理店の営業、医療機器メーカーの営業を経て、2015年にグッドマンサービスに入社。人材コーディネーターとして全国各地の観光・宿泊施設への人材派遣を行う。21年にはリゾート第1営業部の部長となり、20人を超えるメンバーのマネジメントを行いながら、観光地の人材不足解消に貢献している。