iPhoneで「エルサレム」と英語入力するとパレスチナの旗が 米アップルに批判
iPhoneで「エルサレム」と英語で入力すると、パレスチナの旗の絵文字が自動的にサジェスト(提案)され、米アップルが批判を浴びている。 古都エルサレムをめぐっては、イスラエルとパレスチナの双方が帰属を主張している。 ユダヤ系のテレビ司会者レイチェル・ライリー氏は、ほかの国の首都を入力した時には国旗は表示されなかったと、ソーシャルメディアで指摘した。 アップルはBBCに対し、この仕様変更は最近のソフトウェア・アップデートに伴うもので、意図的なものではないと述べた。 同社は、この問題は今後のソフトウェア・アップデートで修復されるとしている。しかし、どの程度の速さで修復が行われるのかは不明だ。 ライリー氏はアップルに対し、何が起きたのかを説明するようソーシャルメディアで要求。 「イスラエルに関して二重基準を示すことは、反ユダヤ主義の一形態だ」と主張した。 アップルによると、この問題は絵文字を予測する機能に関連するもの。iPhoneは、メッセージやほかのアプリで言葉が入力されると、そこから予測される英文字をサジェストする。 アップルの最新の携帯端末基本ソフト「iOS」の注意書きには、「新しい絵文字」が含まれているとある。 ■深い分断 エルサレムの帰属は、イスラエルとパレスチナの紛争において最も扱いが難しい論争の一つ。 イスラエルはエルサレム全体が同国にとって永遠で不可分の首都とみなしている。一方でパレスチナ人は、東エルサレムを将来の樹立を目指す国家の首都だと主張している。 東エルサレムは、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸地区やガザ地区とともに、1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領した。以来、国際的にはイスラエル占領下のパレスチナの領土とみなされてきた。 イスラエルとパレスチナの激しい対立に大手ハイテク企業が巻き込まれたのは、今回が初めてではない。 昨年にはインスタグラムでバグが発生し、パレスチナ人を名乗る一部のユーザーのプロフィール欄に「テロリスト」という文字が追加され、運営会社の米メタは謝罪に追い込まれた。 メタは、同社製品の一部で「一時的に不適切なアラビア語翻訳を引き起こした」問題を修正したとした。 (英語記事 Apple sparks Palestinian flag emoji controversy)
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