成田空港で出国ラッシュ始まる 最大9連休、きょうピーク リゾートや韓国・台湾人気
成田空港で27日、年末年始の休みを海外の行楽地で過ごす人の出国ラッシュが始まった。成田国際空港会社(NAA)の推計によると、1月5日までの10日間で前年同期比約15%増の約89万7千人が国際線を利用する見込み。旺盛な訪日旅行需要が下支えしたことに加え、最大9日間になる大型連休を使って海外旅行に向かう人が増えたとみられる。一方、コロナ禍前の2019年の9割弱にとどまり、日本人の海外旅行需要の回復が低調気味であることが影響した。 出国のピークは28日で約5万1200人が飛び立つ見通し。27日も同程度の旅客が出国したとみられ、出発ロビーは大きなキャリーバッグを持った家族連れらでにぎわった。 家族4人で南太平洋のタヒチ島に近いボラボラ島に向かう東京都立川市の40代女性会社員は「きれいな景色や雰囲気を楽しみたい」。中学1年の次男(13)は「シュノーケリングで魚を見たい」と目を輝かせた。 NAAによると、ハワイやフィリピン・セブのリゾート路線に加え、韓国や台湾の近距離アジア路線などが人気。担当者は「今回は最大9連休となり、日本人の海外旅行が増えるとみている」と話した。 成田を軸に国際線を運航する格安航空会社(LCC)の好調さも目立つ。ホノルルや韓国など9路線を持つ「ジップエア トーキョー」は年末年始の10日間で約4万人(前年同期比6%増)が予約し、日本発の予約率が約99%。上海など中国6都市に飛ばす「スプリング・ジャパン」は予約数が前年同期から約3倍の約2万人強となった。 NAAによると、年末年始の国内線利用者数は19年並みの好調さを見せた昨年から約13%減の約23万3900人となる見込み。訪日旅行需要が高まる中、国際線への機材投入を優先する航空会社が増えたことが影響したとみられる。