阪神・佐藤輝明、メジャー級目指す 小谷野流で爆速打球連発「常に170キロを超えるように」
阪神秋季キャンプ(5日、高知・安芸)阪神・佐藤輝明内野手(25)がランチ中の特打に初登場した。新任の小谷野栄一打撃チーフコーチ(44)が掲げる「量より質」のツーマンセル(2人1組)打撃練習で常時〝メジャー級〟の打球速度170キロを意識。場外弾を含む9本の柵越えを披露して第1クールを締めた。 【写真】一緒にラーメンを食べる阪神・才木浩人と大竹耕太郎 ひと振りひと振りに魂を込めた。第1クール最終日。佐藤輝のバットから飛び出した白球は、ものすごい勢いで場外へと消えていった。 「しっかり動けたのでよかったです。打球速度は170(キロ)を常に超えるようにバッティング練習では意識していますね」 ランチ中の特打に今クール初登場。17スイング目、快音が響くと白球は右翼後方の防球ネットを越えていった。52スイングで柵越えは9本。力強い打球をかっ飛ばす大砲の姿があった。 小谷野コーチの発案で、今キャンプの虎ナインは打撃練習で2人1組または3人1組で打撃ケージに入り、5スイングを目途に都度入れ変わる。量より質が目的。過去キャンプ中の特打では約20分間ぶっ通しでスイングすることもあったが、今秋の練習法では疲れによる惰性のスイングはなくなる。持久力ではなく、スイングの最大出力を追求。スイングスピードや打球速度を上げることが狙いだ。 すでにその両方を兼ね備えている佐藤輝も「僕は好きです。しっかり考えながら振れるので」と歓迎した。その中で設定したのは打球速度170キロ。浜風をライナーで切り裂いた今季14号(9月15日、ヤクルト戦)が打球速度178キロだった。実戦でも170キロ台を意識していけば、甲子園の浜風も苦にならない。 今季の米大リーグでは大谷翔平(ドジャース)が自己最速191キロを出すなど、打球速度の最速では190キロ台、180キロ台が出ているが、平均での最速はアーロン・ジャッジ(ヤンキース)の154・8キロ。そんな中で虎の大砲は、170キロをコンスタントに出すという、まさにメジャー級の速度を目指していく。 佐藤輝を筆頭に力強い打球を飛ばす虎ナインに、藤川監督は「スイングスピードはみんな上がっているようなので」と目を細め、小谷野コーチは「少ない数の中でちゃんと振り切って、自分の力を発揮してくれたから結果にも現れた」とうなずいた。全員のパワーアップを感じた第1クール。佐藤輝は意気込む。