「日米通算200勝」に黄色信号...「自信喪失」の楽天・田中将大の窮状
ブルペン投球もできない
3月20日のイースタン・リーグでの登板を最後に実戦から遠ざかる楽天の田中将大。残り3勝に迫った日米通算200勝も早期達成どころか、今季中の実現も危ぶまれ始めている。インスタグラムではルーキーたちと食事に行った際の和やかな表情の写真を投稿しているが、ままならない自身の状態に悩みは深いようだ。 【写真】大谷翔平を支える、妻・真美子さんの「素顔」! 前回記事「『ソフトバンクとはやりたくない』屈辱的大敗後の楽天ベンチ裏」では、2試合合計0対33の連敗を喫したチームの様子や問題点について詳述している。 田中の実戦復帰登板は、いまだ目処すら立っていない。 「2軍の練習には普通に参加し、キャッチボールこそ行っているものの、ブルペンでの本格的な投球には至っていません。当然、2軍戦での登板予定も決まらない。今の段階でこの状況ですから、1軍の交流戦での登板はまず無理でしょう。それどころか今季中に1軍で投げる姿が見られるのかどうか」(楽天担当記者) 首脳陣も調整は田中に一任しており、進展を待つしかないという。 「あるコーチに実戦登板について尋ねても『田中が言ってくれば、それに合わせて準備する』というだけで動きはありません。また、関係者によれば田中は球威を取り戻せない時期が続いているだけでなく、その解決の糸口すら見つけられずに精神的にもまいってきているそうです。 自信も揺らぎ出しているとのことなので、2軍で投げて打たれることを怖がっているのかもしれません。そうした心理面が調整の足かせになっていることも考えられます」(スポーツライター) 兄貴分の偉業祝福を巡っても、心に余裕を持てない状態であることが表出されていたと話すのは地元テレビ局関係者だ。
監督交代の影響
「パドレスのダルビッシュ有は東北高校出身ですから、うちとしては200勝達成のニュースを華やかに取り上げたいと考えて、ダルビッシュを慕っていて、なおかつ地元楽天の顔であるマー君にお祝いのコメントをお願いする取材を申し込んでいたんですが断られてしまいました。 自身のSNSではダルビッシュへの祝福と自分も続くと意気込む言葉を綴っていましたが、マー君の方が先に200勝していてもおかしくはなかった中、1軍のマウンドに立ててすらいない。ばつが悪いというのもあるでしょうけど、今は自分のことだけで精一杯なんだろなと感じました」 歯車はどこから狂い始めていたのか。 「もちろん楽天に復帰してから力の衰えが進んでいるのは間違いありませんが、さすがに200勝できない可能性を考えるようになるとは思ってもみませんでした。 その1番の原因はキャンプからの調整失敗。昨年10月に右肘クリーニング手術を受けたものの、開幕に間に合わせようと無理にハイペースで仕上げていった結果、違和感が生じて出力を上げられない状態から抜け出せない。 成績が伴わなくても使い続けてくれた石井一久前監督から特別扱いをしない今江敏晃監督に代わって焦りもあったのか、本来はゆっくり仕上げていく年齢で、しかも手術明けなのに、それに見合わない調整をしてしまった。 開幕前の早い段階から進められていた田中の200勝記念プロジェクトやグッズ販売も宙に浮いたままで、球団の担当者は頭を痛めているそうです」(前出・楽天担当記者) 担当者の「こんなことになるとは」との声が聞こえてきそうだが、誰よりもそう思っているのは、田中本人か。
週刊現代(講談社)