ベスティが見事な走りで優勝、逆転タイトルに望みつなぐ。岩佐歩夢は8位入賞|F2アブダビスプリントレース
FIA F2選手権の最終戦、第14戦アブダビのスプリントレースがヤス・マリーナ・サーキットで行なわれ、フレデリック・ベスティ(プレマ)が優勝を飾った。 【リザルト】F2最終戦アブダビ:スプリントレース結果 F2のシーズンもついに最終ラウンド。タイトル争いと、スーパーライセンス獲得を左右するランキング争いもいよいよ決着するということになる。 チャンピオン獲得の権利を残すのはふたり。テオ・プルシェール(ARTグランプリ)が191ポイントで首位に立ち、フレデリック・ベスティ(プレマ)が166ポイントでランキング2番手だ。スプリントレースでプルシェールがベスティより2ポイント多く獲得すれば、プルシェールの戴冠が決まる……そんな状況だった。 プルシェールは予選14番手に沈み、スタート練習に違反があったとしてレース後審議対象に。2番手スタートのベスティはなんとしてもポイントを稼ぎ、日曜日のフィーチャーレースでの逆転を願う状態だ。 ランキング3番手の岩佐歩夢(DAMS)は予選でポールポジションを獲得できなかったため、チャンピオン獲得の可能性が無くなった。それでもランキング5位以上がスーパーライセンス獲得の絶対条件で、油断ができる状況ではない。予選では5番手となり、スプリントレースは6番グリッドから上位を目指した。 23周のレースがスタートすると、ポールポジションのエンツォ・フィッティパルディ(カーリン)が少し出遅れながらも、首位をキープ。しかしベスティとサイドバイサイドのバトルを展開した結果、ロングストレートの立ち上がりで加速が鈍り、トップ争いは一気に団子状態に。フィッティパルディはなんとか首位を守ったが、ベスティは4番手までポジションを下げた。 一方、後方で接触があったファン-マヌエル・コレア(VAR)がコース上にストップしてしまったことでオープニングラップでセーフティカー(SC)出動。岩佐は6番手、プルシェールは混乱を切り抜け9番手までポジションを上げた。 6周目にレース再開となると、岩佐はランキング4番手のジャック・ドゥーハン(ヴィルトゥオーシ・レーシング)に迫られる形となり、7番手に後退。その後もあまりペースが上がらず、さらにプルシェールにも抜かれ8番手となった。 10周目、アイザック・ハジャー(ハイテック)を交わしたベスティが2番手を取り戻すが、その間にフィッティパルディはファステストペースで逃げ、すでに2.5秒のリードを築いていた。 ここからベスティは猛プッシュ。毎周のようにファステストを叩き出し、フィッティパルディとの差を削り取っていった。 ベスティは17周目にフィッティパルディのDRS圏内に入ると、20周目のターン6でインに飛び込みオーバーテイク。ついに首位に浮上した。 そのままベスティはペースを落とさずトップチェッカー。逆転タイトル獲得に望みをつなぐ見事な優勝を決めた。 2位は逃げ切りならなかったフィッティパルディ。3位にはリチャード・フェルシュホー(VAR)が入った。 4位は4台が集団でバトルを繰り広げたが、ファイナルラップでハジャーを交わしたデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)が獲得した。 プルシェールはこの集団の最後尾からポジションを上げられず、7位でフィニッシュ。岩佐は終盤この集団に少しずつ近づいたものの、8位で1ポイント獲得となった。 ベスティはファステストラップも獲得したため、プルシェールに16ポイントのビハインドで日曜日のフィーチャーレースに臨むことになった。ベスティがフィーチャーレースで優勝+ファステストラップを獲得した場合、プルシェールが5位以下で逆転タイトル戴冠となる。 ランキング3番手の岩佐と、同4番手のドゥーハンとのポイント差は10点。また岩佐は。フィーチャーレースで8位以上に入れば、ライバルの結果に関わらず、スーパーライセンス獲得に必要なランキング5位以上が決まる。
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