ひろゆき&武井壮の百獣の王vs論破王③ 武井壮がどんどん孤独になっている、その理由は?【この件について】
ひろゆきがゲストとディープ討論する『週刊プレイボーイ』の連載「この件について」。〝百獣の王〟武井壮さんとの対談3回目は、「有名人になってからの悩み」について。実は武井さんとひろゆきさんは、真逆の状態ということが、今回わかりました。 【写真】「知人を飯に誘ってもなかなか行ってくれない」と語る武井壮 *** ひろゆき(以下、ひろ) 最近は海外で映画俳優として活躍している武井さんですけど、エージェント会社に登録するみたいな王道のやり方って嫌なんですか? 武井壮(以下、武井) やっぱり、自分で広げていくほうが合っているし、楽しいんですよね。確かに、エージェント会社と契約するといいことはいっぱいあります。将来的にエージェント会社の力が必要になるかもしれないけれど、そこにたどり着くまでは独自のルートでやりたいんですよ。 ひろ 王道だとつまんないとか? 武井 「あの人、日本で〝百獣の王〟とか言ってたのに、いつの間にか海外の映画にめっちゃ出てんじゃん」という感じになりたいんです。 ひろ まあ、そのほうが武井さんっぽくはありますね(笑)。 武井 海外に行った日本人が「君、日本人なの? じゃあ、ソウ・タケイって知ってるよね?」って聞かれるような状況になったら面白いかなと思って。 ひろ 自分で切り開くとなると大変なことが多くないですか? 武井 そうなんですよ。タイの映画に出たときは、バンコクから車で片道6時間の山の中で撮影していたんです。しかも、朝6時に現場入りだったりするから、深夜に出発しなきゃいけない。でも、現地についたら、撮影が押しに押していて、結局始まったのは午後3時だったりする。 ひろ あはは。ひでえな(笑)。 武井 でも、そういうのを求めているんですよ。「イチからスタートするってこういうことだ」って。 ひろ 下っ端からのスタートだから、気を使われることもなく、容赦なく待たされるんですね。 武井 奥多摩の河原でロケをしていた日本の芸能界デビュー当時と似ているんですよ。でも、そういうところから、だんだん名が知られるようになればいいし、日本の芸能界デビューのときのようなチャレンジを人生で何回も味わえるのはすごく楽しいんです。 ひろ でも、下っ端的に扱われるのが嫌だという人のほうが多いじゃないですか。日本にいたら、武井さんを何時間も待たせるスタッフもいないでしょうし。なんでそれが楽しいになるんですか? 武井 例えば、自分がMCをする番組では、広い楽屋を用意してもらって、高いお弁当が置いてあって、飲み物もお菓子も何種類もあるんです。あとは僕に寄せてくれているんでしょうね、現場に筋肉系雑誌の『Tarzan』が置いてあったりする。この前は動物の雑誌もありました(笑)。 ひろ さすが、百獣の王(笑)。 武井 それはものすごくありがたいんですが、その一方で、僕が有名になりたい理由は、いろんな人と知り合いたいからなんですよ。有名になったら、たくさんの人と出会えて楽しい時間が増えると思っていたけど、有名になればなるほど、みんなが僕を丁寧に扱ってくれすぎて、スタッフさんとの間にも距離ができるようになったんです。 ひろ スタッフさんも「武井さんと直接話しちゃいけないから、一回マネジャーさんを通そう」みたいに気を使うでしょうね。 武井 最初はフランクに接してくれていたスタッフさんも「今日はよろしくお願いします」みたいに丁寧になっていくんです。そんな状況で「このまま芸能界に10年いたらどうなっちゃうんだろう」と思うようになったんです。もっとたくさんの人に囲まれて、ゲラゲラ笑いながら飯が食えると思って頑張ってきたのに、なんかどんどん孤独になっていく。 ひろ 人気者になると、人は孤独になるんだ。 武井 この数年は「俺が求めているのはこんなんじゃない」という葛藤がありました。だから、タイの映画撮影で9時間の待ち時間があっても、演者の方や現場のメイクさんやエキストラの人たちと遊んでいたし、それで友達になったんですよ。その待ち時間ですごく楽しいひと時を過ごしました。 ひろ 人気者とか偉くなった人が、孤独になっていくってあんまり知られていないですよね。会社の社長とかも、実は友達が少なかったりする。 武井 意外とそうですよね。 ひろ 会社の立ち上げのときは仲間とワイワイやっていたけど、偉くなるにつれて、飲み会とか誘われなくなっていく。 武井 俺はたまにインスタで「今から暇なやつ、一緒に飯を食いに行こうぜ!」と知り合いを誘うんですよ。でも、なかなか一緒に飯に行ってくれない。 ひろ 知り合いは変に気を使っているのかもしれないですね。