【スパーキングレディーC展望】ライオットガールらJRA勢が中心 重賞9勝のスピーディキックが迎え撃つ
[JpnⅢスパーキングレディーカップ=2024年7月3日(水曜)、川崎競馬場・3歳上牝、ダート1600メートル] 川崎競馬夏の風物詩・スパーキングレディカップがいよいよ3日に迫った。3歳牝馬が古馬と初めてぶつかる牝馬ダートグレード。2022年にはJpnⅠかしわ記念勝ちのあるショウナンナデシコがV。19年から連覇したファッショニスタは20年にJpnⅠ・JBCレディスクラシックを勝っているように、ビッグレースとも結びつきが強くなっている。今年はJRAから4頭、南関東から8頭の実力馬が文月のスパーキングナイターで激突する。 ライオットガール(4・中村)はメンバー最多のダートグレード3勝。前走のJpnⅡエンプレス杯は好位で運んで4着。昨年8月のGⅢレパードSを牡馬相手に1分50秒8の好時計で勝っているように、前に行けるスピードがあり、川崎マイルも問題なくこなせそうだ。前走でコース経験をできたことも大きく、得意の夏場。4度目の戴冠を実力馬が本気で狙いにいく。 アーテルアストレア(5・橋口)はダートグレード2勝とメンバー上位の実力の持ち主。6着に敗れた前走のJPnⅡエンプレス杯は勝ちにいった競馬でいつもより若干速く動いたにしても距離が長い印象にも映った。マイルは初となるが、コース自体は3度目。距離短縮が起爆剤となれば重賞3勝目のチャンスは十分あっていい。 ヴィブラフォン(5・高木登)は2走前に同舞台の交流重賞・神奈川記念を牡馬相手に勝っている。舞台適性はJRA勢の中でも随一の存在。当然好勝負が見込める器といっていいだろう。他方、重賞初挑戦となるミラクルティアラ(4・野中)の母ミラクルレジェンドはJBCレディスクラシック連覇など重賞8勝を挙げた砂の名牝だ。母同様に馬体重こそ440キロと小柄だが、パワーと勝負根性は母譲り。7ハロンで1勝クラスを7馬身差で圧勝しているようにスピードも豊富。いきなり大仕事を成し遂げても不思議はない。 対する南関東勢も実力馬たちが揃った。重賞9勝のスピーディキック(5・藤原智)が打倒JRA勢の筆頭候補だろう。今年はGⅠフェブラリーS(13着)、GⅡ阪神牝馬S(11着)と精彩を欠いているが、前者は強豪相手、後者は芝が全く合わず参考外の一戦。昨年の当レースではアタマ差の2着と舞台適性の高さは証明済みで、55キロで戦える今回は2歳時以来となるダートグレード競走制覇のチャンスだ。 キャリックアリード(5・藤田輝)は重賞で〈0・1・2・1〉で4着以下なしの堅実派。同舞台の神奈川記念では2着に入っており。小回りのマイルは合うタイプだ。立ち回りのうまさを生かし重賞初制覇を狙う。転入初戦のドライゼ(5・真島大)は3歳時の関東オークス以来となる川崎でのレース。JRAでのダート4勝は全て9ハロン。地力を考えれば通用してもいいだろうが、初経験となるマイルへの対応がカギを握りそうだ。 ボヌールバローズ(4・福永敏)は地方重賞2勝馬で、5つの競馬場で走ってきたように豊富なキャリアを誇る。川崎は初でも左回りもこなせており、立ち回りがうまいタイプ。初コース自体は問題なく、マイペースの逃げがかなえば怖い存在となる。他にもB1クラスながら6連勝中と底を見せていないアロゲート産駒フーリッシュホビー(5・山下之)や、今年のSⅢユングフラウ賞覇者で、桜花賞でも3着だったミチノアンジュ(3・福田真)など伏兵陣も侮れない。
東スポ競馬編集部