黒いバッタに興味津々 松尾幼園児園庭で発見 三重・松阪
三重県松阪市丹生寺町の市立松尾幼稚園(北浦正也園長、18人)の園庭で22日、全身が真っ黒なバッタ1匹が見つかった。園児たちが興味深そうに珍しい色に見入っている。 岡村栞奈ちゃん(年長)と垣本啓伊君(同)が21日午前11時半ごろ、園庭の砂の上で元気に飛び跳ねる体長3センチほどの黒色の虫を見つけた。よく見るとバッタで、捕まえようとしたが飛び跳ねて逃げていった。しかし翌朝、登園してきた園児が園舎前の砂地で再度発見し、呼ばれて駆け付けた教諭が捕獲した。 この日、年長児クラスは図鑑でバッタについて調べた。垣本君は本に書いてあった「好物の平べったくて細長い草」を取って来て虫籠に入れ、その姿や動きを観察。籠から取り出すと、他の園児らがのぞき込み「(顔が)怒ってるように見える」「おなかは紫色なんだ」などと話していた。 垣本君は、最初に見つけたときはバッタだと思わなかったといい「(前日の雨で)砂が湿って黒くなった部分かと思ったけど、動いたのでびっくりした。よく見たらバッタだった」、栞奈ちゃんも「最初は何かなー、ごみかなと思った」と話した。 昆虫に詳しい津市の県総合博物館(MieMu)の大島康宏学芸員(46)は「珍しいです。なかなか見つからないので、いいものを見つけました」と話した。続けて「トノサマバッタの幼虫だと思う。年に1、2回ほど同館にも問い合わせがあるが、個体変異の一種と思われる。今は黒いが、成虫になりながら普通の色になっていきます。この発見をきっかけに自然や虫に興味を持って観察する力を付けてもらえたら」と期待した。