地場産ブドウでワイン醸造 屈斜路カルデラワイナリー、きょうから営業
北海道弟子屈産ブドウのワイン醸造に向けて町が整備を進めていた「屈斜路カルデラワイナリー」(屈斜路、指定管理者・テシカガファーム)で8日、オープニングセレモニーが行われた。式典には町などの関係者ら約50人が参加し、弟子屈の新たな門出を祝った。屈斜路湖やブドウ畑を眺めながらワインを試飲できるほか、購入も可能で、9日から営業が始まり、10月から醸造を開始する予定。 町は新しい特産品としてワインの生産を模索し、2009年から町内で醸造用ブドウの試験栽培を開始。15年に地場産ブドウの赤ワインが完成した。これまでは町外の醸造所に生産を委託していたが、今後はすべて同ワイナリーでの生産となる。 施設は木造平屋で、延べ面積は274・92平方㍍。醸造室や貯蔵室、ジュース室、店舗、テイスティングルームを備える。昨年6月に着工し、12月に竣(しゅん)工(こう)した。整備事業費は2億253万円。年間1万㍑の製造を目指す。 秋からは新たに「テシカ」シリーズとして樽熟成、ロゼ、スパークリングを醸造する。また、町と「弟子屈・鶴居ワイン特区」を構成する鶴居村産のブドウを使ったワイン「クロンヌルージュ」の生産も受託する。 セレモニーには徳永哲雄町長や町議、テシカガファームの関係者、試験栽培に当たり苗木を町に譲与し、栽培指導や醸造などを支援した十勝管内池田町の安井美裕町長、鶴居村の大石正行村長、町からブドウの試験栽培を受託していた玉川大学の小原芳明理事長らが出席。 徳永町長は、ワイン生産に至るまでのいきさつを振り返り「このような風光明(めい)媚(び)な場所にワイナリーを建てられて感謝している。弟子屈のワインを発展させていきたい」。醸造責任者で町地域おこし協力隊の木龍奈津子さんは「紆余(うよ)曲折があったが『和牛とチーズ、ワインを絶対つくる』という徳永町長の強い思いがあって頑張ってこられた。皆さんに愛されるワイナリーにしたい」とそれぞれあいさつした。 近江屋茂町議会議長の音頭で、ワイナリーで味わえる、ブドウのノンアルコールドリンク「テシカサイダー」で乾杯した。営業時間は、午前10時~午後4時30分。8月中は月~水曜が定休日。
釧路新聞