送検される小崎被告（去年5月）

京都市で自分が経営している美容室で、女性客にわいせつな行為をした罪などに問われている経営者の男に対し、京都地方裁判所は懲役3年6カ月の実刑判決を言い渡しました。 ■【動画で見る】女性客にわいせつ行為の美容室経営の男　懲役3年6か月の実刑判決 「極めて卑劣　反省の態度もない」 京都市伏見区の美容師・小崎達平被告（38）は去年、自身が経営する美容室で、マッサージのためにベッドに横になった当時18歳の女性客に対し、下着を脱がせて体を触るなど、強いてわいせつな行為をした、強制わいせつの罪に問われています。 これまでの裁判で、小崎被告は「胸や股間を触ったことに間違いありませんが、被害者は抵抗もしていなかったので同意がありました」などと起訴内容を否認し、無罪を主張していました。 また小崎被告は、同じく美容室で、シャンプー台でマッサージを受けると思っていた女性客にマッサージ機をズボンの上から押し当てるなどわいせつな行為をするなどした、準強制わいせつの罪2件にも問われていて、いずれも起訴内容を否認し、無罪を主張していました。

■検察側「信頼につけ込むかたちで、卑劣というほかない」「被害者は証人尋問で涙」

小崎被告の美容室の予約サイトより

一方検察側は、「被害者が、被告人が美容師であり、職務の一環としてマッサージをしてくれるものであると信頼していたことを利用し、つけ込むかたちで、一連のわいせつ行為を行ったものであり、犯行態様は、卑劣というほかない。 被害者は単に、美容室に客として訪れたのみであり、落ち度は全くない。 被害者が受けた肉体的、精神的苦痛は甚大で、実際被害者たちは証人尋問の証言の途中で涙を流すなどし、中断される事態に至っている」などと指摘し、懲役5年を求刑していました。

■裁判長「極めて卑劣で狡猾な犯行で非難を免れない」

京都地方裁判所

21日の判決言い渡しの裁判に、小崎被告は上下黒のスーツ、黒のネクタイをして臨んでいました。 そして京都地方裁判所の西川篤志裁判長は「被告は当時18歳の被害者について、同意を得た上だったと主張し、ほかの被害者2人についてはわいせつ行為に及んでいないなどと主張するが、同意なくわいせつ行為を受けたという供述は信用することができ、被告が起訴内容の犯行に及んだことは優に認められる」と判断して、小崎被告の無罪の主張を退けました。 さらに「3名の女性客に対し、店内の密室内で二人きりの状況で、マッサージなどにかこつけてわいせつ行為を繰り返しており、極めて卑劣で狡猾な犯行で非難を免れない。いずれのわいせつ性の程度も軽くなく、被害者らが受けた精神的衝撃や苦痛は大きく、いずれの被害者も厳しい処罰感情を表しているのは当然である」と指摘。 その上で「被告人の供述は不合理な点に終始し、反省の態度も見られない」として、小崎被告に懲役3年6カ月の実刑判決を言い渡しました。 判決が言い渡される間、小崎被告はじっと前を見つめて、実刑であることがわかっても動じるような様子は見られませんでした。