4区 西銘氏が7選 自公連携で金城氏ら下す 野党、乱立で追い上げ及ばず 衆院選
衆院選は27日投開票され、沖縄4区では自民前職、西銘恒三郎氏(70)が約6万票を獲得、立憲民主新人、金城徹氏(71)らを破り7選を果たした。西銘氏は物価高対策などの経済政策を中心に掲げ、自公連立政権の継続を訴えた。野党は玉城デニー知事を支える「オール沖縄」勢力の枠組みが初めて崩れ、共闘体制を構築できなかった。 選挙戦は物価高に伴う国民の生活支援、「自衛隊の「南西シフト」と呼ばれる先島諸島などでの増強、自民の「裏金」問題を受けた政治改革が主な争点。 西銘氏は石破茂政権が掲げる経済政策を踏襲し、物価高を上回る賃上げ実現を公約。台湾有事への危機感を背景に「南西シフト」に賛同した。 従来の選挙戦同様「選挙区は西銘、比例は公明」をアピールし、自公選挙協力体制をバネに、組織力で保守中道層を手堅くまとめた。また、野党候補の乱立で政権批判票が分散し「漁夫の利」を得た。 「オール沖縄」勢力が擁立した金城氏は生活困窮者への給付金などを掲げ、自衛隊の増強に反対、政治改革には政権交代しかないと強調した。 ただ「オール沖縄」勢力の候補者選考が紛糾し、れいわが独自に山川仁氏を擁立したため「オール沖縄」の枠組みが事実上崩壊。支持基盤である革新層が分裂した。 沖縄本島では玉城知事らの来援を受けたが、離島での運動は動きが鈍く、西銘氏に対し序盤から劣勢を強いられた。終盤の追い上げも及ばなかった。 山川仁氏は「オール沖縄」勢力の候補者選考に不信感を抱く革新層を取り込み、消費税廃止を掲げて無党派層への支持拡大も図った。選挙区では敗れたが、比例での復活当選が決まった。 山川泰博氏は維新の馬場伸幸代表が石垣入りするなど、離島でも懸命な集票活動を展開したが、知名度不足が響いた。 投票率は石垣市45・33%(前回比7・73ポイント減)、竹富町62・52%(同4・42ポイント減)、与那国町59・75%(同8・55ポイント減)。 沖縄1区は共産前職、赤嶺政賢氏(76)、2区は社民前職、新垣邦男氏(68)、3区は自民前職、島尻安伊子氏(59)がそれぞれ前回2021年衆院選に続く当選を決めた。「オール沖縄」勢力と自公の対決は前回衆院選と同じ2勝2敗となった。1区の自民前職、國場幸之助氏(51)、3区の立憲民主前職、屋良朝博氏(62)は比例復活した。県全体の投票率は49・96%(同4・94ポイント減)。