ザック・スナイダー監督、小麦畑を2つ作る 『REBEL MOON』農業シーンへのこだわり「絶対に必要なこと」
黒澤明の名作『七人の侍』にインスパイアされて誕生した、ザック・スナイダー監督による2部作構成のSF巨編『REBEL MOON』。後編となる『REBEL MOON - パート2:傷跡を刻む者』では、劇中で描かれる農業シーンの撮影のためだけに、小麦畑を2つ作っていたことが明らかになった。 【動画】『REBEL MOON - パート2:傷跡を刻む者』予告編 銀河を支配する悪の帝国「マザーワールド」と、復讐のために立ち上がった主人公・コラ(ソフィア・プテラ)のもとへ集うアウトロー集団〈チーム・レベルズ〉の最終決戦を描く本作。前作『REBEL MOON - パート1:炎の子』以上にバトルシーンが多く含まれているが、スナイダー監督は「私にとっては、戦いへの過程や計画を構築することが全てです。あんな敵を相手に戦いを挑もうという大胆不敵さはもちろん、それを本物に落とし込む。レベルズの気持ちをどうすれば表現できるのか。チーム皆で美しく詩的な戦闘シーンを作ろうとしたわけです。戦闘シーンがただ単に戦いを見せるだけのものには絶対にしたくなかった。戦いの中に、そこにかける思いを失うことなく描きたかったのです」とバトルに至るまでの過程にも意識していたと語る。
その過程の中で重要なことの一つが、農業のシーンだ。劇中では、コラの村に集まったレベルズたちが、村人と共に、帝国の軍勢の襲来に備えてチームワークを研ぎ澄まし、鍛錬し、生活を共にする描写が丁寧に描かれる。スナイダー監督は、役者の演技をリアルに見せるべく、約2万平方メートルと約1万平方メートルという巨大な畑を2つ作り、実際に小麦を栽培して撮影に臨んだ。
「私にとって小麦畑を作ることは絶対に必要なことでした。果てしなく広がる小麦畑しかない地平線。収穫の時が来ると、役者たちが鎌で小麦を収穫し、束を作って結び、乾燥させ、麦の実ともみ殻を分け、撮影現場に作られた製粉機で小麦を挽くという一連のプロセスを、何日もかけて撮影しました。この作業を役者たち自身でやるという点は重要でした」