4メートルの大岩が流れたあの日「なぜ逃げ遅れた?」 広島豪雨の記憶、子どもたちに問う
10年前の広島豪雨による土砂災害で被災した松井憲さん(72)が11日、京都府城陽市寺田の寺田南小で授業した。77人が亡くなった惨状を振り返り、「自分で自分の命を守って」と4年生約60人に呼びかけた。 【地図】授業が行われた小学校がある京都府城陽市 広島豪雨は2014年8月に発生。土石流などが広島市の2地区を襲い、関連死3人を含む77人が死亡した。松井さんは当時、自宅に土砂が流入して被災し、避難生活を10日間送った。現在は同市豪雨災害伝承館副館長として語り部活動をしている。 未明に住宅街を襲った豪雨と土石流について、松井さんは「すごい音で雨が降り続け、(朝になって周囲を確認すると)直径4メートルの大岩が流れてきていた。道路も土砂でガードレールが埋まっていた」と振り返った。 土砂に埋まった行方不明者を捜索する自衛隊の重機の音が耳から離れず、つらい思いを抱えたことも吐露。「なぜ逃げ遅れたと思う?」と児童たちに問いかけ、率先して避難する重要性を説いた。 授業は消防庁の「防災意識向上プロジェクト」の一環で行われた。