サッカー日本代表の夢を挫折も……筋トレ好きとの出会いで筋トレ開始、コンテスト優勝の34歳 「私は筋肉に人生を捧げます」
「やっぱり私は運動が一番好きでした!」 【写真】小沢美帆さんの逆三角形の背中
筋トレを始めて半年、『マッスルゲート奈良大会(9月23日開催)』ウーマンズレギンス163cm以下級と、レギンスより筋肉量が必要なウーマンズレギンスフィットネス163cm以下級で2冠を達成した小沢美帆(おざわ・みほ/34)さん。 満面の笑顔の裏には、つらい経験を乗り越えた過去があった。 小沢さんは、小学2年生から高校2年生まで、サッカー日本代表をめざして、Lリーグ(現在のWEリーグ)に属していたクラブチームで、週6日、24時間アスリート生活をしていた。ところが高校時代、1年以上入院し、それまでの生活が180度変わってしまう。 「拒食と過食を繰り返す摂食障害、引きこもり、いじめで、生きる柱となっていたスポーツも挫折。行きたい学校にも行くことができず、入院生活を送ることになってしまいました。その後もずっと過去のトラウマから抜けられず、人生を模索しながら生きてきました」 「10年前に一大決心で沖縄に移住し、過去の自分を真っ白にして生きてきた」という小沢さん。俗世間から離れ、のんびり生活をしていたが、半年前に「運動をこよなく愛し、運動を教える筋トレ好きの人」と出会い、「一度嫌いになった運動をもう一度やってみよう」と、筋トレを始めた。 1カ月に3~4回パーソナルトレーニングを受け、毎日通うジムではパーソナルで習ったことの復習を続けると、どんどん筋肉がついて筋トレが生きがいとなった。「やっぱり私は運動が好きなんだ」と気づいた小沢さんは、「脳筋マッチョになりたい!」と、大会に出場することを決意する。 初戦はマッスルゲート福岡大会(9月8日開催)。このときは、ウーマンズレギンスもレギンスフィットネスも2位だった。優勝した選手のポージングを研究して練習を重ね、2戦目となる奈良大会で2冠を達成した。 「まだ下半身は育ちきってないので、チキンレッグです。12月までは脚トレメインで、ゴールドジムジャパンカップに向けて準備します」 「大会に出場したことは、人生が豊かになるきっかけになりました。とても感謝しています。好きなことでつながる人との輪がとても懐かしく、幸せな人生だなって思えました。今、私の周りでサポートしてくれているトレーナーさんや選手の人たち、筋トレを通してつながった友達、私を応援してくれる人たち、みんな私の大事な人たちです。人との出会いに感謝、そして筋肉に感謝しています」
「これからもっと成長して、知識や技術、成績、そして人に対しての思いやりはどんな時期でも必ず保っていたい」と小沢さんは言う。現在は負担にならない程度の仕事をしながらのんびり生活を続けているが、いずれは運動に関わる仕事に就きたいと思っている。 「人生が辛い人、迷いながら生きている人たちの光になれるような選手になりたいです。私は筋肉に人生を捧げます」 【マッスルゲートアンチドーピング活動】 マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:あまのともこ 撮影:北岡一浩