『ドラゴンボール Sparking! ZERO』先行試遊レビュー。各キャラと闘うエピソードバトルは、悟空たちの絶望感もアクションで味わえる。衣装変更や迫力の演出で“ごっこ遊び”も捗る!
バンダイナムコエンターテインメントより2024年10月10日(PC版は10月11日)に発売されるアクションゲーム『ドラゴンボール Sparking! ZERO』。対応ハードはプレイステーション5、Xbox Series X|S、PC(Steam)。 【記事の画像(50枚)を見る】 本作は『ドラゴンボール』を題材にしたゲームの中でも、根強い人気を誇る『Sparking!』シリーズ最新作だ。本記事ではメディア体験会での最新プレビューバージョンを試遊した、先行体験レビューをお届けしよう。なお、システムやゲームの概要は下記記事でお伝えしているので、併せてチェックしてほしい。 芸コマなメインメニューとチュートリアル 前回のバージョンはまだまだ制作途中といったところで、アクションの爽快感やバトルの操作性は十分体験できたものの、グラフィックのちょっとしたチラつきや、キャラクターモーションのぎこちなさなど、細かい部分の粗さが目立った。 今回のプレビュー版はそこがしっかりとブラッシュアップされており、すぐにでも発売できそうなクオリティーに仕上がっていた。 試遊会では一部のモードを除き、ある程度は網羅したゲームモードを試遊できた。まず操作チュートリアルを新たに体験。悟空とベジータの修業的なシーンを通してアクションを操作しながら学べたが、あくまで「最低限これだけ覚えれば」みたいな簡易チュートリアルとなっていた。本作の深くて自由なアクションは別のモードで学べる。 メニュー画面に移ると、まず驚いたのがメインメニューのユーザーインターフェース(UI)。ひとり用モードの“エピソードバトル”やバトルメインの“対戦”などのカテゴリに分かれているのだが、それぞれが『ドラゴンボール』のキャラクターたちが集まる場所で表現されている。 ゲーム的にはモードを選択するだけでいいのだが、背景ではその場所に悟空が訪れて会話したりアクションをくり広げたりと、芸がとても細かい。たとえば、トレーニングと詳細チュートリアルモードにあたる“超修業”は、悟飯とピッコロが修業地に向かうというような内容。メニュー画面を見ているだけでも楽しく、ファンにはたまらない要素だった。 なお、前述した詳細なチュートリアル“バトル修業”では、本作の深いアクションをひとつずつプレイしながら学べる。本作はアクションがかなり複雑だが、慣れると自由な闘いを楽しめるのが特徴。それらをピッコロに教えてもらうというシチュエーションの中で、バトルに慣れていけるのもうれしい。 ただ、一部は操作せずに完全にテキストのみで説明されるチュートリアルもあった。座学的な部分もかなり長く、慣れるまではなかなかに難しいだろう。 とはいえ、前回の記事でお伝えしたように、本作には一部アクションをオート的にサポートしてくれるアシスト機能がある。アシストを使ってゲームプレイを通しながら、わからないところが出たら“バトル修業”に訪れるなど、自分の段階に合わせてゲームに慣れていくのがよさそうだ。 バトル以外のモード メインとなるバトル要素の前に、ほかのモードについても紹介しておこう。“チャレンジ/ミッション”モードでは、全王様、またはウイスから提示されたお題をクリアーすることで、報酬をゲットできる。 内容は“コンボを○○つなげた”など比較的簡単なものが並んでいた。ゲームを遊びながら、コスチュームやゲーム内通貨などをゲットできる要素のようだ。 ゲーム内通貨は“ショップ/カスタマイズ”で使うようで、キャラクター解放やコスチューム、BGMなどを購入できる様子。カスタマイズはまだ深くは体験できなかったが、自分ならではの見た目でキャラクターを彩れそう。また、マルチプレイ向けの“プレイヤーカード”カスタマイズもある模様。 さらに『ドラゴンボール』らしい要素として“神龍召喚”が存在。過去作にもあったように、ドラゴンボールを集めることで神龍を呼び出し、何かしらの報酬をゲットできるようだ。なお、ドラゴンボールは“神龍”、“ポルンガ”、“超神龍”に分かれていた。 前回の試遊で紹介しているが、簡潔に“カスタムバトル”もご紹介。基本はゲーム側が用意した、“あったかもしれない”シーンが各ミッションになっていて、攻略することで報酬が手に入るモード。最大の特徴は、カスタムバトルはユーザーが制作できることだ。 シチュエーション、キャラクター、登場シーンやセリフなど、細かい設定でバトルを演出可能。作ったカスタムバトルはアップロードすることで、全世界のプレイヤーが遊べるようになる。ユーザー間のやり取りでゲーム的に報酬があったりするわけではないそうだが、自由すぎるがゆえの個性的なバトルがたくさん生まれそうだ。 また、天下一武道会モードという大会モードもあり、CPUやオンライン対戦などが、特別なルールなどで楽しめるようだ。 エピソードバトルで、サイヤ人の脅威も味わえる!? 前回体験できなかった要素として、キャラクターごとの物語を追いながらバトルを楽しめる“エピソードバトル”が試遊できた。物語は、8人のキャラクターのひとり・悟空ならば“サイヤ人襲来編”から“力の大会編”までが描かれる。 なお、キャラクターは8人存在し、下記のメンバーの視点から物語が描かれる。今回体験できたのは悟空、フリーザ、ゴクウブラックの3名。 ■エピソードバトルの8キャラクター 孫悟空ベジータ孫悟飯ピッコロ未来トランクスフリーザゴクウブラックジレン 悟空の場合だと、ラディッツが襲来し凶悪な戦闘力の前に苦戦する悟空たちといった、原作と同様の流れで物語が展開。その中で、選択肢によって“もしも”の物語が展開する。ifのストーリーも、『Sparking!』シリーズの特徴のひとつだった。 ルートは分岐する。今回は"正史"を体験したが、ifのルートは続く物語も変わっていくのだろうか? さらにその後、ベジータ&ナッパが襲来するといった流れを今回初めて見ることができた。とはいえ、物語は『ドラゴンボール』を知っている人には、やはりおなじみのもの。 ナッパ戦、ベジータ戦がステージになっているのだが、さらに続いてのステージはベジータ(大猿)との闘いに。ナッパもベジータも、ゲームとしてはそれなりに強敵になっており、ゲームに慣れていないと苦戦してしまうだろう。さらにベジータ(大猿)は、ものすごく強い。よりサイヤ人たちの脅威が感じられるようになっている。 勝利すると報酬や、プレイヤーの経験値も手に入った。 ラディッツ戦も含めてだが、「ゲームの序盤だから気軽に倒せるように」といった感じではない。敵は手ごわいものの、悟空のアクションを通してつぎつぎと訪れるピンチを味わえるのが、むしろ好印象だった。ベジータ(大猿)はバトル難度を下げるオプションを使っても、突破するのが難しかった。 さらに体験したフリーザ編、ゴクウブラックの序盤も、なかなかの難度を誇る。 フリーザ編は第一形態でクリリン、悟飯、ピッコロ、ベジータの4人と闘わなくてはならないので、慣れていないと倒すのは難しい。もちろんフリーザらしく、4人を撃破できる強さを誇る。その後はフリーザ第四形態となり、悟空らとのバトルに。こちらもひとりで、多数のキャラクターと連戦となる。 フリーザ編では、悟空を見てバーダックを思い出すフリーザといった姿も。 ゴクウブラック編も、悟空、トランクスとの連戦や、悟空&ベジータと闘わないといけなく、悪役らしく主人公格の強者たちを相手にすることに。ほかのキャラクターもシナリオもそうだが、いずれも強敵相手のステージばかりになりそうな予感。 なお、エピソードバトルでは“一部のシーンをキャラクターの主観視点で見られる”要素があるが、今回ラディッツ以外(前回の記事を参照)の体験したシーンは、いずれも会話シーンを主観で楽しめる程度のもの。必殺技や名シーンを主観で楽しめるといった部分は具体的には体験できなかった。おそらく、その先の物語で楽しめそうだと予測する(フリーザとクリリンといえば……みたいな)。 悟空とベジータの対決の前に、ベジータとの会話を悟空の視点で見ることができた……が、この機能の本質はこういったシーンではないはず。 こだわりすぎのキャラクター描写 最後に、バトルの感想というか、おもに参戦キャラクターたちについて。本作に登場するプレイアブルキャラクターは、脅威の182キャラクター。試遊ではごく一部を除き、ほぼすべて使用することができた。 182キャラクターといっても、悟空やベジータだけでスーパーサイヤ人であったりなかったりと、バージョン違いで何体もいる。とはいえ、決して手抜きというわけではなく、技や姿はすべてそのときのものに合わせた調整になっているので、“ごっこ遊びのシチュエーションづくりが捗る”といった感じで、ぜんぜんオーケー。 劇場版シリーズのキャラクターから、『ドラゴンボール超』に登場したヒットや、カリフラ&ケールなどなど、登場しそうなキャラクターはほとんど網羅されている。また、『ドラゴンボール』初期の少年時代・孫悟空や、『ドラゴンボールGT』のキャラクターも登場する。 キャラクター数がものすごいうえに、原作で衣装が異なる場合はそれぞれコスチュームが用意されている。悟空ならば道着の柄、インナーが違うバージョン、上半身が裸のバージョンなど、細かく変更可能。 ビーデルならば髪の毛を切る前と後、悟飯ならジャージ姿のものやグレートサイヤマン(顔出し状態)のものも。さらに、グレートサイヤマンは悟飯とは別のキャラクターにもなっていて、ヘルメットあり、サングラス姿のコスチュームなどなど……。とにかくこだわりがものすごい! しかもコスチュームによって“一部の必殺技が変わる”キャラクターも存在。たとえば人造人間18号ならば、気円斬がもとであろう“気円烈斬”が使用できるようになる。 そして『Sparking!』の魅力である、キャラクターどうしの掛け合いの多さも体験できた。なにかしら因縁やゆかりのあるキャラクターどうしが対決すると、それぞれ専用のセリフを放ってくれる。ブロリー(1994年版『ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない』の初期状態)とブロリー(『超』のバージョン)など、夢のような状況でもしっかりと用意されているので、掛け合いを見つけるだけでもとにかく楽しい。 気が高まる…溢れる…! 本作のメインはやはりアクションバトルにあり、技の再現度や迫力のアニメーションはもちろん見応えたっぷり。自由度の高い“ごっこ遊び”がとことん楽しめること間違いナシ。それ以外の部分の作り込みも、とてもこだわっていることがわかった今回のプレビューバージョンだった。 気が付けば発売の2024年10月10日~11日まで、もう残りわずかとなっている。『ドラゴンボール』ファンの方々にはもちろんオススメできるし、自由度の高いバトルアクションが好きな人にもぜひ遊んでみてほしい。