佐伯市でマリンレモンの収穫最盛期 香り爽やか、緑鮮やか
大分県佐伯市の「マリンレモン」が旬を迎えている。香りが抜群な緑色の果実収穫が最盛期で、本年度出荷分よりブランド定義も一新。佐伯自慢の特産品のさらなる盛り上がりが期待されている。 市内鶴見沖松浦の野村重徳さん(58)の園地(約15アール)では緑色のマリンレモンがたわわに実り、丁寧に摘み取ると、爽やかな香りが周囲に広がる。「この時期は香りがよく、飲み物に使うのが最高。出来もいい」と野村さん。収穫作業は年内いっぱいの見込みで、11月に入ると黄色に色づきはじめ、甘みが増してくるという。 市内では11月末まで「さいきマリンレモンフェア」が開かれている。鶴見地域3店と市中心部17店で香り豊かな素材を生かした各店オリジナルのサワー、レモネードなどが楽しめる。 マリンレモンのブランド力強化に向けて、市や生産者らは昨年、マリンレモンブランド振興協議会を設立。本年度出荷分から(1)市内産のレモン(2)品種(アレンユーレカ、リスボン)の指定(3)市産海産物由来の有機資材(肥料など)を栽培使用―をマリンレモンとした。 今後は県農林水産祭「おおいたみのりフェスタ」(19、20日)、米水津おさかなまつり(27日)といったイベントなどを通じて、周知を図る。
小川香料おおいた佐伯農場で初の本格収穫
佐伯市米水津色利浦の小川香料おおいた佐伯農場(上野俊輔社長)で2021、22年に植えたマリンレモンが順調に育ち、初の本格収穫が始まった。まずは早摘み(緑色)を収穫し、青果(約200キロ)として県内と関東方面に向けて出荷した。 同農場は国内大手香料メーカー小川香料(東京都)の子会社。18年に市と農業参入協定を結び、同所の農園(約8ヘクタール)でレモン約3500本を栽培する。今季は収量約10トンを見込んでおり、多くは12~1月にかけて香料原料などに利用する色づいたレモン(黄色)の収穫を予定している。 収穫作業は今月上旬に実施。上野社長ら同農場、本社の社員ら7人が、果実のサイズなどを確かめながら、丁寧に摘み取った。 11月20日には収穫祭を予定する。上野社長は「スタートラインに立てたという思い。質もよく、素直にうれしい」と笑みを浮かべ、「マリンレモンの知名度を上げ、産地を盛り上げたい。そのためにもしっかりと木を育て、収量200トン達成を目指したい」と話した。