大物芸能人の番組より、一般人メインの方が…バラエティ番組「2024春 注視率」順位を発表!
画面を見ていなくても、テレビのスイッチが入ってさえいれば視聴率は上がる。しかし、それでは「本当に注目されている番組」はわからない。 【大公開!】意外な結果が…!「バラエティ番組"クギづけ度"ランキング」一覧 テレビの前の人々がどれだけ画面を見ているかを調査し、「クギづけ度」(注視率)という新しい機軸を打ち出したのが、テレビの視聴データ分析会社『REVISIO』(以下、R社)だ。今回取り上げるのは民放キー局で4月1日から5月19日の期間に放送された、今春のバラエティ番組のクギづけ度。R社が75番組を分析したデータをもとに、上位30作品をランキングしたのが下の表だ。視聴率ではわからない、本当に注目度の高いバラエティ番組の意外な傾向を紹介したい――。 ランキングの特徴や個々の番組について解説する前に、R社のクギづけ度測定方法をあらためて説明しよう。広報/マーケティング担当の安武早織氏が語る。 「他の作業をしながらの『ながら見』ではテレビ画面が見られていないことが多いので、視聴率は高くてもクギづけ度は上がりません。クギづけ度は視聴者の視線がどれだけシッカリ画面を見ているかで計るので、数値が高いほどじっくり見られている番組といえるでしょう。一般家庭のテレビにセンサーを設置し、登録した視聴者の骨格が画面を向いているかを測定。例えばテレビの前にいる100人のうち70人が画面を見ていれば、クギづけ度は70%になります。(表に掲載した)視聴率も、弊社が独自に調査した数字です。現在、関東で2000世帯(約4800人)、関西で600世帯(約1500人)ほどにご協力いただいています」 具体的にランキングを見てみたい。上位に入った番組は、視聴率の順位と大きく異なるのがわかるだろう。 ・1位『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』(テレビ東京系)→世帯視聴率は3.2%で54位。 ・2位『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)→同6.2%で14位。 ・3位『家、ついて行ってイイですか?』(テレ東系)→同4.0%で37位。 ◆テレ東が大健闘のワケ これらクギづけ度上位の番組には共通点がある。視聴者からの投稿がメインになるなど、一般人にクローズアップしているのだ。安武氏が続ける。 「毎日のようにテレビで見る有名芸能人と違い、一般の方については前情報がなくストーリーが予想しづらい。シッカリ見ていないと、展開についていけなくなってしまうんです。そのため一般の方がメインの番組は、視聴率が良くなくても注目度が高いのでしょう」 もう一つ特徴がある。上位10番組のうちテレ東の作品が4つ入っているのだ。 「他のキー局に比べ予算が潤沢でないため、大物タレントを多く起用するよりも一般の方にクローズアップしているのが逆に良い結果となっているのかもしれません。6位の『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』は出川さん(60)の冠番組ですが、電動バイクで全国を回りご当地の方と交流するのが番組の見どころの一つでもあるんです」(安武氏) 一方、『千鳥』の大悟(44)やマツコ・デラックス(51)、中居正広(51)ら大物芸能人がMCを務める17位の『酒のツマミになる話』(フジテレビ系)、21位『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)、28位『だれかtoなかい』(フジ系)などは、クギづけ度がそれほど高くない。 「画面に集中しなくても、番組がわかりやすく進行するため『ながら見』の対象となるのでしょう。以前はウケていた、有名芸能人がネタを振りひな壇のタレントたちが答える番組は、相対的にクギづけ度が低い。こうした演出は『オールドスタイル』として視聴者が見慣れている反面、安定した展開で注目度は低くなるのかもしれません」(同前) 男女にも、クギづけ番組の傾向に違いがあるという。R社のカスタマーサクセス担当の板本真澄氏が話す。 「女性のクギづけ番組には、3つのポイントとなる要素があります。『カズレーザーと学ぶ。』(日テレ系、女性の注目度2位)などの教養。『嗚呼!!みんなの動物園』(日テレ系、同8位)などの動物。『極楽とんぼ』の加藤浩次さん(55)が司会を務める『人生最高レストラン』(TBS系、同1位)などのトークです。女性には友人たちで集まってお話するのを好む人が多いので、トーク番組にも自然と引きつけられるのでしょう」 とくに若い女性は、トーク番組でキワどいテーマを好む傾向があるという。 「SNSに上げるとバズりやすく、友人たちと共通の話題になるからだと思います。ランキングに入っていませんが、例えばヒコロヒーさん(34)と齊藤京子さん(26)が出演する『キョコロヒー』(テレ朝系)。おひとり様の先輩についてなど深夜番組(23時45分から0時15分)らしい話題で、13歳から24歳の若い女性からの注目度が高く4位なんです。40代以降の女性は1時間以上の長いトーク番組にも注目しますが、若い年代は『キョコロヒー』のような30分という短いワクをよく見る傾向があります」(板本氏) 男性が好むのは、ドキュメンタリー風の演出だ。『ポツンと一軒家』(男性注目度2位)などは、人里離れた場所に住む人々の物語に男性が共感するのだろう。 「年代別にみると、若い男性からは『千鳥かまいたちアワー』(日テレ系、13歳から24歳の男性注目度8位)、浜田雅功さん(61)が司会を務める『水曜日のダウンタウン』(TBS系、同12位)が、他の年代に比べて比較的見られています。若い人に人気のお笑い芸人が多数出演し、間違い探しなどの細かい演出が注目されているようです」(同前) 誰もが知る大御所が番組の注目度を上げるのではない。予想できない展開がクギづけ度をグンと上げるのだ。 『FRIDAY』2024年6月28日号より
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