「僕は中国のサッカーを理解している」横浜エースはなぜ数的不利をチャンスと捉えた? 試合後にはキューウェル新監督に粋な権利譲渡
「あの場面で喋りすぎたってのもある(笑)」
ハリー・キューウェル新監督が率いる横浜F・マリノスは3月13日、アジア・チャンピオンズリーグの準々決勝第2戦で、山東泰山とホームで対戦。1-0で接戦をモノにし、2戦合計3-1でクラブ史上初のベスト4進出を果たした。 【動画】頼れるエースが豪快ボレ―!中国の難敵撃破を大きく手繰り寄せた鮮烈弾をチェック! 中国の難敵撃破の立役者となったのが、第1戦に続いてゴールを奪ったアンデルソン・ロペスだ。後半開始早々に永戸勝也が2枚目のイエローカードで退場となり、主導権を握られるなか迎えた75分、山根陸のクロスに豪快なボレーで合わせ、決勝点を叩き込んだ。 試合後、取材に応じたブラジル人エースはある事実を明かした。武漢に所属した経験があり、中国サッカーの特徴を理解しているなかで、数的不利は逆にチャンスだと捉えていたようだ。 「もちろん、今後も1人少なくなるのは経験したくない。チームとしてきついのは分かる。ただ、僕は中国のサッカーを理解しているし、経験したからこそ言える。正直、中国のチームはボールを持ってプレーするのは慣れていないので、きっと1人少なくなった時にちょっと前掛かりになって、チャンスは来るなと。チャンスを待っていたって感じだ。 (実際に相手が前掛かりになって)『やっぱりこう来た』と思ったし、試合中にエウベルやエドゥ(エドゥアルド)に言ったよ。『必ずチャンスはあるから、ここは辛抱強く我慢しよう』とね」 タイムアップ直後には、強力な個の力で自分たちを苦しめた同胞の相手エース、クリサンとユニホームを交換し、何やら話し込んでいた。会話の内容を尋ねると、こう明かしてくれた。 「クリサンは古い仲間で、アトレチコ・パラナエンセでチームメイトだった。彼は怪我上がりで100%のパフォーマンスは出せなかったと思う。そういった話や、敗退してしまったけど中国に帰って国内リーグで頑張れって話を主にしたよ」 また、観客に向けた試合後の円陣セレモニーでは、ヒーローとしてメッセージを求められるも、キューウェル監督に権利を譲った。 「僕はきっとマイクを向けられるだろうなとは思っていたんだけど、監督が(マリノスに)来たばっかりなので、そういう機会を与えようかなと。もうちょっと(監督が)話していけたらいいんじゃないかなと思って。あと、あの場面で(僕が)喋りすぎたってのもある(笑)。 ヒーローにならないと指名がないので。(今後、自分が務める機会が)いっぱいあれば良いね。今年は良いことがいっぱいあると思うので、楽しみにしていてください」 悲願のアジア制覇へ「マリノスに関わる全ての人間が夢見ている。このタイトルを獲って、クラブワールドカップに出場したい。そこに行けば必ず歴史に残るので、最後までベストを尽くして戦いたい」と力強い決意を示す昨季のJ1得点王A・ロペス。加入3年目の今季も大爆発してくれそうだ。 取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)
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