日経平均なぜ3万円超え? 4つの視点から株価急上昇の要因を考える
●日本の内需にも力強さ、消費マインド改善
また国内の景気回復も好材料です。速報性に優れた4月の景気ウォッチャー調査は日本の内需が力強さを増していることを印象付ける結果でした。景気の現状を示す現況判断DIが54.6へと1.3ptの改善を示すと同時に、(景気の先行きを示す)先行き判断DIは55.7へと1.6pt上昇、双方とも2019年水準を明確に上回っています。生活必需品の値上がりによって家計が圧迫されている中でも消費者が貯蓄よりも消費を優先している姿が透けて見えます。 その背景にあるのは賃金上昇率の高まりと、それによる消費者マインドの改善でしょう。連合の集計によれば、ベア相当部分の春闘賃上げ率は約30年ぶりの高水準である+2.1%となっており、これが消費の源泉となっていると考えられます。こうした環境下、投資家は日本株の先行きに自信を深めているようです。
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