被害を受け、登山道入り口に設置された注意喚起の看板＝14日、津山市市場

　岡山県は14日、津山市奥津川の登山道で、8日朝に岡山市内の50代男性がツキノワグマと遭遇し、右腕をかまれて軽傷を負ったと発表した。男性はクマと一緒に斜面を20メートルほど滑り落ち、足なども負傷した。県内でクマによる人的被害は、2018年6月以来、6年ぶり3例目となる。 　県自然環境課によると、8日午前6時ごろ、那岐山に登る声ケ乢（こえがたわ）登山口（同市市場）から約700メートル先を男性が1人で歩いていたところ、前方からクマ1頭が襲いかかってきた。頭や顔を守ろうとして腕をかまれ、そのまま斜面を滑落してクマは逃走。男性は自力で下山し、津山市内の病院で手当てを受けた。クマの体長は1メートル以上で、成獣とみられる。

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　被害を受け、県は登山道入り口に注意喚起の看板を設置。警察などと対策会議を開くという。津山市も防災行政無線などで、鈴やラジオの音を出してクマに人間の存在を知らせ、野外に餌になる食べ物を置かないよう呼びかけている。 　県によると、県内では本年度、津山、美作、真庭市など県北部で計26件のクマの出没情報があり、うち10件は今月に入って寄せられている。捕獲は7頭で、前年度1年間（15頭）の半数に迫っている。県自然環境課は「この時期は繁殖期で雄の活動が活発になる。山に入る際は十分に注意してもらいたい」としている。