お値段3億7500万円から!1900馬力のハイパーカー「ピニンファリーナ・バッティスタ」が日本上陸
最高速は時速350kmとされているが、「制御を変えれば400kmだって超えます」と、ピニンファリーナのイタリア人テストドライバーは言っていた。 シャシーとボディには、炭素繊維樹脂(カーボンファイバー)がふんだんに使われていて、軽量化が追求されている。注目は電子制御技術で、各輪のモーターがデファレンシャルギアの働きもするため、コーナリングは無理がなく、かつ速度が期待以上に速い。 ■ハイパーカーメーカー「リマック」の技術を採用
ドライブトレインとサスペンションシステムを含めたシャシーを手がけるのは、クロアチアのEVメーカー、リマック。パーツの多くは同社の「ネヴェーラ」というモデルと共用だ。それがトリノのピニンファリーナの工場に運ばれてファインチューニングされ、独自の内外装が艤装される。 車載コンピューターがドライバーのクセを学習するのも、バッティスタの特徴と説明された。 ハンドルを切る速度、アクセルを踏み込む速度やタイミング、それにブレーキングなどは、それらの学習を踏まえたうえで、サポート。ドライバーの能力の範囲内で、可能なかぎり(サーキットなどを)速く走れるように、すべてを制御する。
当然、自分の思いどおりに動いてくれる感覚なので、スピードに振り回されることもない。 「公道で試乗会を行った(箱根の道を貸し切りにした)のは、サーキットのように路面がスムーズでない、一般道での快適性や操縦のしやすさを体感してもらいたかったからです」と、先のピニンファリーナのテストドライバーは説明した。 ただし……、カーブを抜けてストレートを眼の前にしたときに、「アクセルを床まで踏んでみて」と、ピニンファリーナのインストラクターに言われた際は、心底びっくりした。自分が今までドライブしたクルマの中で、最速。まさにロケットかと思うほど、別世界の加速感だったのだ。
■95年目のスタートアップとして 今回、乗ったモデルは、厳密には「バッティスタ55(チンクアンタチンクエ)」といい、バッティスタ・ファリーナ時代に手掛けられた1955年のランチア「フロリダ」の「エレガンスとスポーティさを採り入れたもの」だと、デザイナーのアマンテア氏。 内装に使われるレザーは、高級家具やフェラーリをはじめとしたイタリアの高級車にレザーを提供してきたポルトローナフラウ社に特注したもの。エージング加工と凝った処理がされており、「55(年)」のイメージに合わせて仕立てられている。