球団からの水面下での監督就任要請を内諾したことが明らかになった藤川球児SA

阪神が来季監督の最有力候補に挙げている藤川球児球団本部付スペシャルアシスタント（SA、44）に対し、水面下で就任要請し、内諾を得たことが5日、明らかになった。岡田彰布監督（66）の今季限りでの退任が明らかになった中、クライマックスシリーズ（CS）から2年連続の日本一を目指す戦いと同時に、球団創設90周年となる2025年への準備も、進めていく。 【写真】ベンチで談笑する阪神・岡田彰布監督と藤川球児氏 V奪回へ、空白の期間を作るわけにいかない。CSから日本一連覇を目指す戦いと並行して、球団創設90周年となる2025年の体制に向けた準備も、怠らない。 阪神が来季監督の最有力候補に挙げている藤川SAについて、球団幹部は「シーズン（今季の戦い）が終わってから、というのは無理。それまでに、ということになる」とコメント。水面下で就任要請を行っていることを明かしたが、関係者の話を総合すると、すでに藤川SAから内諾を得たことが判明した。別の球団幹部も組閣作業について「心配なく」と話しており、選定に向けて動き出している。 今月3日に岡田監督が2年契約最終年となる今季で退任することが明らかになり、藤川SAが最有力候補に浮上。粟井一夫球団社長はレギュラーシーズン最終戦となった同日に「現在、戦っていますので。やっぱり勝ちたいという思いは強い。現時点ではコメントすることはございません」と説明した。12日に開幕するDeNAとのCSファーストステージ（甲子園）を戦うチームに配慮して、退任や新監督についての正式発表はせず、タイミングを図っている状況だが、阪急阪神ホールディングスの角和夫会長も「阪神が（藤川SAを）選んだのであれば、もろ手を挙げて賛成ですよ」と異論はないことを明かしていた。 もちろんCSを勝ち抜き、2年連続での日本一を目指すことが大目標だが、フロント陣としては来季に向けて〝二兎〟を追う必要がある。 22年には当時の矢野燿大監督が春季キャンプイン前日の1月31日のミーティングで同年限りでの退任を表明。そこから岡田監督の内定まで半年以上を要し、異例の〝阪急主導〟で岡田監督に決定した。角会長は今回の新監督の選任について「タイガースのことは阪神球団に任せる」としており、阪神はより迅速に進めたい流れだ。 今月24日にはドラフト会議が控えており、球団は関大・金丸夢斗投手らを1位候補に、補強ポイントの即戦力捕手や〝第2の藤川球児〟として期待がかかる高校生右腕らもリストアップしている。日本シリーズは第7戦までもつれると11月3日で、12月9日には現役ドラフトも控える。チームにとって、やることは山積だ。

球団史上初のセ・リーグ連覇を逃し、球団創設90周年の来季は、打倒巨人でのV奪回が期待される。暗黒時代にタテジマに袖を通し、栄光も苦労も味わった藤川SA。常勝軍団継続へ、球団は全力で支えていく。