おひとりさまシニア「年金月15万円です。老後にかかる費用を全部教えてください!」天引きされるお金、生活費、介護費用まで試算。貯金はいくら必要?
1人暮らしの生活費はいくら?
ここからは、月15万円の年金で生活ができるのか、総務省の家計調査から1人暮らしの生活費をみてみます。 1か月の生活費は約15万円ということがわかりました。 しかし、この調査の対象世帯の持家率は85.1%であるため、住居費が低くなっています。 老後の住まいが賃貸である場合は、家賃の支払いがあるため、住居費はもっと高くなるでしょう。 ただし、家賃はお住まいの地域や住居の種類によって幅があります。 ここでは、家計調査の「住居の所有関係別の民営借家」の全国平均である「5万3691円」を賃貸住まいの人の住居費として試算したいと思います。 ・持ち家の人の生活費:14万9033円…約15万円 ・賃貸の人の生活費:18万9621円…約19万円 老後に賃貸の場合は、約19万円を生活費として考えなければならないため、持ち家の人よりも老後資金が多く必要になります。 年金を月に15万円受給できても、その金額をすべて生活費にはできません。 次章では、年金から引かれるお金について詳しく解説していきます。
年金15万円の手取りはいくら?
年金を月に15万円受給できても、その金額をすべて生活費に充てられるわけではありません。 年金額に応じて、税金や社会保険料が引かれて、手取りは15万円よりも少なくなります。 <年金から引かれるもの> ・国民健康保険料※ ・介護保険料 ・所得税 ・住民税 ※75歳以降は後期高齢者医療保険料となります。 月額15万円(年額180万円)受給している人の手取り額を計算してみます。 ●年金月額15万円の手取りを試算 <条件> ・東京都八王子在住、66歳1人暮らし、厚生年金180万円(月15万円)受給 <国民健康保険> 所得割額:(前年の総所得金額等※-基礎控除43万円)×10.56% 均等割額:加入人数×6万3100円 参考:八王子市「年間保険税の決め方(令和6年度(2024年度))」 所得割は2万8512円、均等割は6万3100円ですが、均等割には軽減措置があり、このケースでは5割軽減に当てはまるため、3万1550円となります。あわせて6万62円(年額)です。 国民健康保険料:6万62円(年額) <介護保険料> 第6段階にあてはまるため、8万2100円(年額)となります。 参考:八王子市「令和6年度(2024年度)から令和8年度(2027年度)の介護保険料(所得段階)」 <所得税> (公的年金収入-公的年金等控除額-各種所得控除-社会保険料控除)×税率 180万円-110万円-48万円(基礎控除)-14万2162円(社会保険料控除)=7万7838円 7万7000円(課税所得)×5.105% 所得税:3930円 <住民税> 所得割一律10%(市民税6%+都民税4%) 均等割5000円 住民税:1万5100円 月15万円の受給額の場合、手取りは13万6567円となりました。 では、年金15万円で生活するには貯金はいくらぐらい必要なのでしょうか。 次章でみていきます。