「全領域異常解決室」第2話の場面写真。左から）藤原竜也、広瀬アリス（C）フジテレビ

【TV視てますか？】 フジテレビの水10「全領域異常解決室」が9日スタートした。絶好調の脚本家・黒岩勉はどうやら、この＜完全オリジナルドラマ＞で＜圧倒的世界観＞を描くつもりのようだ。まだ、とば口に立ったばかりだが、すでに大変な＜奥行き＞を感じさせる。いずれ＜既視感のないエンターテインメント＞だと気付かされるだろうが、それだと後出しジャンケンのようで決まりが悪い。こりゃ真っ先に書かねば。それがネクタイ巻きの流儀。 【写真】藤原竜也軍団 主演は藤原竜也。不可思議な異常事件を扱う捜査機関「全領域異常解決室」、略して全決（ゼンケツ）の室長代理・興玉雅（おきたま・みやび）を演じる。異常なまでの知識、記憶力、洞察力を兼ね備えた超常現象のスペシャリストで、事件を解決へと導く。早速、長ゼリフを超早口で〝雅〟にしゃべって見せた。 ＜本格ミステリー＞だが、演出の石川淳一はコメディーもいける。唐突ながら筆者はかねがね〝ポスト田村正和〟は藤原竜也で決まりと思っている。〝美剣士つながり〟と言っていいか、「眠狂四郎」と「古畑任三郎」が当たり役の田村正和を継げるのは、NHK大河ドラマ「新選組」で沖田総司役の藤原しかおるまい。誤解を恐れずに言えば、二枚目ながら＜二枚目半＞を正しく演じ分けられる。いや、二枚目半的な＜おかしみ＞がある。番組ホームページの動画「藤原竜也軍団　圧倒的視聴してみた。」ではモノマネ芸人たちが藤原をリスペクトしている。そこにも田村正和との共通項が感じられる。そんな個性を、石川は本作で十二分に引き出してくれるはずだ。 ところで、1年ほど前のニュースで米国防総省に「全領域異常対策室（AARO）」という組織があることを知った。初回ではまだ（？）その「対策室」は登場せず。本作の「解決室」は神社の社務所のよう。大和朝廷時代からある世界最古の捜査機関だという。雨野小夢（広瀬アリス）が出向を命じられ、いきなり「神隠し」「シャドーマン」「ヒルコ」…と、大忙し。　（新橋のネクタイ巻き）