蔵王の「お釜+釜めし」? 山形の新作駅弁「蔵王のお釜めし」とは
【ライター望月の駅弁膝栗毛】 「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。 【写真全6枚】ご飯は、山形県産米「はえぬき」を醤油ベースで炊き上げた
駅弁には1つのヒット商品が生まれると、さまざまな類似商品が生まれていくのが常ですが、その上でご当地らしさを加味することで、元祖とはまた違った駅弁として成長していきます。山形に今月(2月)登場した新作の“釜めし”も、ご当地らしさ満載の駅弁です。
例年、春先までは当たり前のように見られる東北地方の雪景色。東京から新幹線で北へ2時間ほど揺られると車窓が真っ白になってきて、雪のない地域に暮らす人間にとっては、ちょっぴりワクワクした気持ちを感じる瞬間でもあります。ただ、今季は暖冬の影響もあり、スキー場の営業や冬ならではのイベントや自然現象にも影響が出てしまっているようです。なかなか人間の思うようにいかないところも、自然の大きさなんでしょうね。
例年は春先まで樹氷で賑わう蔵王ですが、その玄関口・山形駅に2024年2月5日からもりべんの新作駅弁「蔵王のお釜めし」(1150円)が登場しています。樹氷と並ぶ蔵王の名物「お釜」。中味は釜めしと想像できますが、ご当地らしい良いネーミングです。販売元のもりべんによると、かつて山形駅では紅花軒の「蔵王の釜めし」、森弁当部(当時)の「花笠こけし弁当」の2つの釜めし系駅弁が販売されていましたが、久しく釜めし駅弁が販売されていなかったことから、お釜と釜めしをかけた“蔵王のお釜めし”として発売したと言います。
【おしながき】 ・炊き込みご飯(山形県産米はえぬき使用) ・山形県産ハーブ鶏の味噌焼き ・玉こんにゃく ・ごぼうときのこの醤油煮 ・山くらげ ・煮物(竹の子、椎茸) ・うずらの卵 ・大根としその酢漬け ・栗の甘露煮 ・さくらんぼ
山形県産米「はえぬき」を醤油ベースで炊き上げ、薄く地元の味噌を塗って焼き上げた山形県産ハーブ鶏を載せた「蔵王のお釜めし」。鶏肉の食感がとてもよく、山形らしい玉こんにゃくと一緒に食欲をそそってくれます。『お釜』の休憩所の営業時は玉こんにゃくが販売されていることから、その雰囲気だけでも味わって欲しいという思いで釜めしにも、玉こんにゃくを入れたそう。新幹線から蔵王連峰を眺めて、旅気分を味わうのもいいですね。