郷土史研究の元住職100歳河村さん 湖西の寺に私設図書室 住民や檀家に開放 25日オープン
湖西市白須賀の妙泰寺に25日、千冊以上の蔵書を備えた私設図書室がオープンする。13日に100歳の誕生日を迎えた元住職で元東洋大教授の河村孝照さんが、長年の活動で集めた書籍を住民や檀家(だんか)に自由に読んでもらおうと、研究のために使っていた建物を改修した。25日午後2~3時に開館記念イベントを開く。 河村さんは東洋哲学の専門家として仏教学を追究するとともに、地元出身の国学者・夏目甕麿(みかまろ)の顕彰会で初代会長を務めるなど、遠州国学や郷土史の研究に尽力した。蔵書の公開を望む思いを聞いていた現住職の長女福永妙柳さん(73)が中心となり、河村さんが研究所を置いていた建物を私費で改修した。宗教や哲学の専門書だけでなく、子ども向けの伝記本や絵本、近現代史の本などもそろえた。 図書室は本の貸し出しを行わず、毎月第1、3土曜の午後1~4時に施設を開放する予定。檀家10人が図書委員として準備を進めている。14日には影山剛士市長が寺を訪れ、家族や檀家と河村さんの長寿を祝った。河村さんは図書室の開設に向け「本は著者の足跡のようなもの。読む人が愉快に読んでもらえたらうれしい」と目を細めた。 開館イベントでは読み聞かせや紙芝居を行い、先着100人に記念品とかしわ餅を配布する。
静岡新聞社