今も変わらぬ『ゴーオンジャー』愛! 古原靖久が語る『ブンブンジャー』コラボ裏話
今も変わらないヒーローへの想い
◆今も変わらないヒーローへの想い◆ ――古原さんは現在、YouTubeチャンネルで特撮作品の出演者にお話を聞いたり、ローカルヒーローとコラボしたヒーローショーを実施したりと、戦隊キャストの中でもヒーローとの接点が多い印象があります。 古原 そうですね。僕はもともと仮面ライダーやスーパー戦隊、『ドラゴンボール』みたいなヒーローが大好きで、ずっと仮面ライダーになりたかったんです。走輔の髪型も、要はスーパーサイヤ人のオマージュで。5回目くらいのオーディションで勝ち取ったので、作品や戦隊に対する想いはものすごく強いし、今もヒーローが好きだからこそ、ローカルヒーローとコラボして、地域を活性化するプロジェクトをやっていて。僕個人が持っているヒーローのスーツはないから、逆にいろいろなヒーローに変身できるローカルヒーローになって、全国のヒーローとコラボしようと思ったんです。スーパー戦隊で例えるなら、海賊戦隊ゴーカイジャーみたいな感じで。そのために、記憶を失った謎の男が、47都道府県に行って各地の敵を倒すことで、47個の記憶の欠片を集める……という設定にして。 ――ちなみに、現時点では何カ所回っているんですか? 古原 まだ始まって一年ちょいなので、福岡と佐賀、秋田で2カ所という感じです。残り44都道府県も回りたいですし、「この敵はあのヒーローの力を使って倒す!」みたいなことをやってみたいですね。あとはやっぱり、仮面ライダーにも変身したい。ウルトラマンに出たことがあるから(※『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』に森脇翔平役で出演)、仮面ライダーで3シリーズ制覇になるんですよ。今後もヒーローに関わる活動は続けていきたいです。 ――そんな古原さんが考える、スーパー戦隊シリーズならではの魅力はなんですか? 古原 まずは仲間との絆。スーパー戦隊はメンバーがそれぞれ役割を持っていて、一人じゃ乗り越えられない壁を、みんなで力を合わせて乗り越えていくじゃないですか。だから、仲間との絆は欠かせないテーマだと思います。あとは諦めない心、これですね。何回負けても立ち向かったり、どうすればいいか考えたりして、挫折を味わいながら成長していくのがスーパー戦隊。特に走輔は、結構負ける場面があったんです。最後には勝つんですけど、それは技術や理屈じゃなくて、諦めない心、心の強さが決め手になった。そういうところが大好きです。ほかにも変身して戦うとか、ロボが出るとかいろいろあって。逆に、スーパー戦隊の魅力ってなんだと思いますか? ――いろいろなヒーローがいることでしょうか。熱い人がいれば、クールな人もいて、一人は共感するヒーローがいるのが、戦隊の面白さなのかなと。 古原 確かに。きっと誰もがヒーローになれる、みたいなことを発信していると思うんです、スーパー戦隊は。「もしかしたら、自分もヒーローになれるかもしれない」と思わせてくれる、多種多様な人がヒーローになれるというのは、スーパー戦隊の一つの魅力ですよね。……語り出したら止まらないですね、これ(笑)。 ◆走輔がブンブンジャー成長のきっかけになれば◆ ――『ゴーオンジャー』の放送から15年以上経ちましたが、ゴーオンレッドになって良かったと感じたことはなんですか? 古原 いやぁ、たくさんありすぎて……僕は『ゴーオンジャー』に出演したことが、ある意味人生のスタートラインだと思っているんです。僕は養護施設で育ったんですが、当時は芸能界に入ったときに「お前じゃ無理だ」とか、「一握りしか入れないところに、お前なんかがいけると思うなよ」とか、心ない言葉を浴びせられて。本当にひどい扱いをされることもあったんですが、ゴーオンレッドになったことで初めて人に認められた、必要とされた瞬間があった。『ゴーオンジャー』は、僕の人生の大きな分岐点だし、これからも一緒に寄り添って生きていく、とても大きなものですね。僕は現在、いろいろなところで講演会をしているんですけど、『ゴーオンジャー』を含めたこれまでの経験が、そこにもつながっていて。養護施設にいる子たち、自信がなかったり助けてくれる人がいなかったりする子たちに話をしたり、養護施設や社会的養護のことを発信する活動をしたりしているんです。個人的な話ではありますが、古原靖久は今こういうことをしているって、知ってもらえると嬉しいです。 ――『ゴーオンジャー』としての次の目標は、やはり20周年の新作でしょうか? 古原 そうですね。みんないろいろと事情はあるんですが、気持ちとしてはゴーオンメンバー全員が20周年で何かやりたいという想いです。メンバーのグループLINEや、集まって話すときに、「あと4年後?」「あんまり時間なくね?」とかみんな言っていて(笑)。20周年に向けてどうなるかは、楽しみに待っていてほしいです。 ――最後にファンに向けてメッセージをお願いします。 古原 戦隊といえば人との出会いで気づき、強くなれる瞬間がまたひとつの魅力だと思います。今回走輔が出たことで『ブンブンジャー』がもっと盛り上がったら、僕が演じる走輔との出会いが、ブンブンジャーが成長するきっかけになってくれたらな、と思います。相棒との絆、仲間との信頼関係、諦めない気持ちがゴーオンジャーのいいところで、マッハで前に出る走輔の戦いを見て、ブンブンジャーたちの中にも気づきがあったはず。ブンブンジャー、それこそ大也が「御託じゃねえ」と、「理屈じゃねえ」と、「想いの強さが俺たちを強くさせるんだ」と、泥臭い戦いを見せる。そんな瞬間が訪れたら「走輔が『ブンブンジャー』に出た意義があったな」「出てよかったな」と、感じられる気がします。それとオーコメでも話したことですが、『ブンブンジャー』を観ている人にはまず、「『ゴーオンジャー』って車戦隊もいたんだな」と覚えてほしい。僕たちの戦隊はすごくおバカで観やすいし、『ブンブンジャー』とも親和性があって、面白いと思うんです。ブンブンジャーがいるヒューマンワールドのどこかで、ゴーオンジャーのみんなも戦ってくれているんだと感じてもらえたら嬉しいですね。 (C)テレビ朝日・東映AG・東映
佐久間 翔大