【日本ハム】二刀流の矢沢宏太プロ初勝利、腹くくり腕振ってピンチ絶つ 聖地・神宮で記念の1勝
<日本生命セ・パ交流戦:ヤクルト4-5日本ハム>◇7日◇神宮 投打二刀流の日本ハム矢沢宏太投手(23)が、ついにプロ初勝利を挙げた。「日本生命セ・パ交流戦」のヤクルト戦(神宮)で、同点の延長10回に登板。先頭打者に四球を与えながらも気迫あふれる投球で無失点。直後の11回に勝ち越して白星が舞い込んだ。1年目は苦戦した投手として成長中の2年目左腕が、日体大時代に目指していた聖地・神宮で記念の1勝を手にした。チームは30勝に到達し、2位に再浮上した。 ◇ ◇ ◇ 矢沢が腹をくくった。「打たれなきゃ、点は入らない」。4-4の延長10回1死二塁。西川に対して3球連続スライダーで3ボール。でも、弱気にならない。「ど真ん中、真っすぐを思い切り投げ込もう」。腕を振って直球勝負。フルカウントまで持ち込み、最後も真っすぐで空振り三振を奪った。 まだ、2死二塁。ここで建山投手コーチがマウンドにやってきた。「『お前、コントロールとか細かいことできないんだから思い切って腕振ってこい』って言われた。『分かりました』って言って腕を振りました」。代打川端にはスライダーを4球続けて二ゴロ。サヨナラ負けのピンチを断つと、延長11回にチームは勝ち越し。プロ2年目にして初勝利を手にした。 2日前の悪夢も振り払った。5日広島戦では1イニングを投げきれず、4四球を与えて3失点。それでも、マウンドに送った新庄監督は「こういう場面で投げさせて勝たせたら、1ランクも2ランクも成長してくれるんじゃないかと思った」。意気に感じた矢沢も「絶対0点で帰ってくると思ってやりました」と期待に応えた。 日体大時代は、大学・社会人選抜の一員で投げたことがある神宮だが、チームとしてはプレーできなった球場。「大学生からしたら甲子園みたいなもの。こういうところで投げられたというのはすごくうれしい」。ウイニングボールは観戦に来ていた「家族にあげます」。1年目はプロ初本塁打を放った打者矢沢に続き、2年目は投手矢沢が一歩踏み出した。【木下大輔】 ○…水谷が先制の2号ソロを含む3打数2安打1打点で、9試合連続安打。1回2死、ヤクルト松本健の落ちる球をすくい上げ左翼席へ運んだ。交流戦打率は5割1分5厘で単独トップ。2本塁打で最多に並び、打点も首位に1差と“打撃3冠”も視野に入る。「たまたまっす、たまたま」と照れ笑い。「たまたまの積み重ねが、いい結果につながっている」と気持ちを切り替えた。 ○…オリックスから加入した山崎は勝敗がつかず、FA移籍1年目の最多連勝タイ記録達成は持ち越しとなった。6回先頭に四球を与え、2連打で1点を失って1死一、三塁となったところで勝ち投手の権利を持って降板。9回に救援陣が追い付かれ、7連勝はお預けとなった。「6回だけですね。それだけ、反省点ですね」と話した。 ▽日本ハム・ザバラ(来日初セーブ)「集中してマウンドに上がって、打たれたらしょうがないっていう気持ちで投げました。最後の打者は絶対に三振に取るって自分に言い聞かせていたから、最高の気持ち」