【デーブ大久保コラム】戦力差を埋めるものは『気持ち』とそしてオースティンの存在感です
【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】 今季の開幕前の順位予想。DeNAに関してはオースティンが帰ってこられるかどうかで大きく変わる、と見ていました。実はデーブ的には、頭の中ではオースティンのイメージがあったのですが、口では「ソト」と言っていたようで、週べの担当者に「? オースティンですか……」と言われてしまった次第で。まあ、年齢には勝てないってことでしょうか(笑)。 【選手データ】タイラー・オースティン プロフィール・通算成績・試合速報 日本シリーズ第1戦もソフトバンク相手に劣勢を強いられましたが、9回にオースティンのフェンス直撃の二塁打から反撃を始めました。やはり、この助っ人が打つとチームが乗ってくるイメージがあります。CSファイナルステージでも貴重な本塁打を放ったりして、チームに貢献していましたよね。 聞くと非常にチームの勝利に熱い男だとか。助っ人のイメージはどうしても個人成績を優先に考えてしまうのかな、というよりそういう選手が多いのが事実ですが、どうもそうではないらしいということを耳にして、さらにDeNAはこの助っ人が打つことで盛り上がるんだろうな、と感じました。 彼が四番に座ることで、二番の牧(牧秀悟)、三番の佐野(佐野恵太)、そして五番の宮崎(宮崎敏郎)が一つになって戦えるということができます。短期決戦では、いい投手が次々に出てきますので、いくら重量打線でもそれを打ち崩すのは難しい。でも、肝心な状況でこれまでオースティンが打ってきたことが非常に大きな意味を持っていると思います。 当然、日本シリーズも彼が打つか打たないかで、大差のゲームとなるか、打撃戦での接戦になるかになっていきます。投手戦の接戦は、投手陣の構成を見るとなかなか難しいかもしれません。でも、短期決戦です。特に日本シリーズは2連戦-休み-3連戦-休み-2連戦という中継ぎ陣が踏ん張れるシステムになっています。 これが3連戦-3連戦-3連戦という戦いなら、中継ぎを温存するとは思いますが、もう残り7試合のみで今シーズンは投げなくてもいいのです。そこに休みが入るので、体的にはある程度万全で臨めるはずなのです。 そうなるとDeNAのリリーフ陣も1イニングを全力で投げていけば、強力なソフトバンク打線を何とか最少得点で抑えることができる可能性が高まります。そうなると双方の投手陣同士の投げ合いでの接戦が続く可能性が出てきます。そのときに一発を打てる打者、状況を一振りで変えられる打者がチームには必要になります。DeNAはオースティンにその雰囲気がありますので、キーマンになると思います。 単純に総合的な戦力で見るとソフトバンクが4勝0敗で勝ってしまっても仕方ない部分があります。でもそうならないのが気持ちの入る日本シリーズ。熱い心を持つ男・オースティンがDeNAの意地を見せてくれるのではないでしょうか(第1戦終了時点で書いています)。
週刊ベースボール