ハウステンボスに来夏「ミッフィー」エリア! アトラクション充実の目玉、地域一帯の「滞在型」へ 長崎
長崎県佐世保市のハウステンボス(HTB)の髙村耕太郎社長が就任して1年が過ぎた。HTBは投資会社「PAG」傘下の成長戦略で数百億円の投資をしてアトラクションを充実させる方針。計画の目玉として、来夏に「ミッフィー」をテーマにした新エリアをオープンする予定で、髙村社長は「計画の中心にある大きな投資。具体的にパークの姿が変わり、そこから投資効果が出てくる」と展望する。 HTBは2028年をめどに、年間入場者数をコロナ前の約170万人から約300万人に増やす成長プランを描く。髙村社長は「順調に推移。ミッフィーのエリアを含め、これからその水準にするための具体的なコンテンツが登場していく」と説明する。 中世オランダの街並みを再現したHTB。ミッフィーはオランダゆかりの人気キャラクターで、園内には体験型ショップ&カフェ「ナインチェ」がある。新エリアはその前に広がる敷地に整備。「世界唯一のミッフィーエリア」と銘打ち、飛行機やヨットに乗って冒険をするイメージのアトラクションが誕生する。 「ヨーロッパの街並みを散策して楽しんでもらうパークの前提があり、そこで気持ちが高揚する時間を提供するのが僕らのアトラクション」。ディズニーなどのテーマパークとは違う独自の方向性で、幅広い世代に魅力を伝える。 一方、集客のキーワードを「滞在型のリゾート」と分析。入園者の内訳は九州が5割ほどで、ほかは都市圏などそれ以外。「県北、佐賀には自然、歴史、文化資産が多く、世界の人に楽しんでもらう観光ポテンシャルがある。旅行市場において、一帯を面としてまとめるブランドイメージが重要」と使命感を強める。 交通アクセスの課題について「長期滞在にはバリエーションのある宿泊体験が求められる」と、地域が連携した全国からの周遊観光の推進をイメージする。入園者の1割弱にとどまっているインバウンド(訪日客)の増加も課題。新設の国際マーケティング部では海外採用も進め、東南アジアからの集客を強化する。 社員数は約1300人。さらに人材確保が必要という。「新しい仲間を日本、世界から来てもらう形をつくりたい。地域が世界から注目されるよう貢献したい」と意気込む。