堀田真由が担う“柱”としての役割 『アンチヒーロー』の好演で次のフェーズへ
“若手”が多く出演する『チア☆ダン』『3年A組』『かぐや様』『教場0』での堀田真由の好演
キャラクターの一貫性は、自身の演じる役の強固な軸を俳優が持っているからこそ。メインキャストが演じる役の軸がブレブレでは、ドラマそのものの強度にも間違いなく影響する。しかも本作の場合は、各エピソードごとに数多くのゲスト俳優が登場するのだ。彼らの入退場によって、作品の感触は変わってくる。柱となる長谷川、北村匠海、堀田たちが作品の中心にブレずに存在し続けているからこそ、この『アンチヒーロー』の手触りは絶えず変化しながらも、強度の高いドラマとして成立しているのではないだろうか。 そんな重役を担う堀田真由は、俳優としてのキャリアは10年近くあるものの、年齢的にはまだ若手俳優のひとりだ。ドラマだと『チア☆ダン』(2018年/TBS系)や『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(2019年/日本テレビ系)、映画では『虹色デイズ』(2018年)に『殺さない彼と死なない彼女』(2019年)、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』シリーズ(2019年~2021年)などなど、“若手”がこぞって出演する作品には必ずといっていいほど彼女の姿があった。北村匠海と共演した『風間公親-教場0-』(2023年/フジテレビ系)での好演ぶりも記憶に新しい。 『バカ塗りの娘』(2023年)をはじめ、すでにいくつもの主演作を得てはいるが、彼女はもっともっと評価されるべき俳優だと個人的に思っている。「日曜劇場」という大舞台で“柱”としての役割を最後までまっとうしたとき、彼女の俳優としての立ち位置は大きく変わるはずである。“若手のうちのひとり”から正式に脱け出すに違いない。
折田侑駿